好みの作家の一人であるポール・オースターの『The Brooklyn Follies』を読了。和訳は現時点ではまだ出ていないようだ。この著者の本のトーンはいつも共通したものがあって、それが非常に私にはしっくりくる。この世に生きている個々それぞれの人生がどれほどかけがえがなく、また反対に取るに足りないものであるかを感じさせる。人は、自分の周りの人々に囲まれながら、「自分」の人生をただ生きるしかないのだ。その中で、自分が大切だと思うものを大切にし、幸せだと思う瞬間をのがさず抱きしめて生きていくことが肝要ではないかというメッセージがあるような気がした。