20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『ゆうきメガネ』(赤羽じゅんこ著 あかね書房刊)

2008年10月27日 | Weblog
 なかよしの作家、赤羽じゅんこさんの新刊のご紹介です。
 この『ゆうきメガネ』は『わらいボール』に次ぐ、「ゆうやと、らくがきにんじゃ」シリーズの二作目です。
 前作では一年生の「ゆうや」が「らくがきにんじゃ」に頼まれて「わらいごえ」を集めるお話でした。
 楽しそうなわらいごえをきくと、人間はつい、つられて笑ってしまうものです。
 そして、どうやらそのわらいごえには、いろいろないろがあるようです。
 恥ずかしそうにわらう、やわらかなさくらいろのわらいボール。
 元気いっぱいのオレンジいろのわらいボール。
 さて、「ゆうや」から「らくがきにんじゃ」が受け取ったボールは。なにいろだったでしょうか?
 
 そして二作目。今回の作品は「ゆうき」を見つけ出すメガネを、にんじゃからあずかるおはなしです。
 ほんとうの勇気というのはいったい、どんなものなのでしょう。

 作家・赤羽じゅんこさんは、内なる子どもの視点をそなえた作家だとしみじみ思います。
 小学校低学年の子どもが、どんな視点で日常を見つめ、どんな視点で自分や友だちを見つめていくのか。それをたのしい仕掛け満載で、物語として提示してくれているのですから。
 この「子どもの視点の獲得」を拝見するにつけ、彼女の、子どもの本の作家としての豊かな資質を垣間見せていただく思いがします。
 理屈ではなく、もっと皮膚感覚に近いところでの、子どもの感性。
 こういったものを、どうやら赤羽じゅんこさんは資質として兼ね備えていらっしゃるようです。
 そこに作者の、登場人物を思いきりデフォルメさせ、おもしろく意外なキャラクターを作り上げるというサービス精神が随所に散りばめられ、発揮されているのですから、おもしろくないはずがありません。
 ぜひお読みになってください。 

 そしてもう一つ、お知らせです。
 赤羽じゅんこさんたちでお作りになっている『ももたろう』の同人誌29号が発刊されました。
 力のある作家の揃った『ももたろう』もぜひご覧になってください。
 HPはこちら↓
 http://ww5d.biglobe.ne.jp/^d-momo/
コメント (6)
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