20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『海月姫くらげひめ1』(東村アキコ著 講談社)

2009年08月04日 | Weblog
 先日の「王様のブランチ」で、作家・三浦しをんさんがお気に入りのマンガ三冊を紹介していました。
 その中の一冊「海月姫」にすごく興味を持ち、すぐさま日本橋の丸善に買いに行きました。
 
 子どものころ、お母さんに連れていってもらった水族館で見たクラゲ。
 お姫様のドレスみたいなふりふりのクラゲをみて、お母さんはこう言いました。
「女の子は大きくなったら、みんなみんな美しいお姫様になれるんだよ」と。

 大人になった主人公の「月海」は、インターネットのコミュニティーサイトで知り合ったお友だちと共同生活をはじめて3ヶ月。
 いまは亡きお母さんに、大人になるとお姫様になれると言われた「月海」は、いまは腐った女の子、いわゆる腐女子(ふじょし)になっていました。
 そしてその共同生活している仲間たちすべてが、ヲタ女子(オタク)の「腐女子」なのです。「月海」はクラゲオタク。
 彼女たちは自らのことを、こう呼んでいます。「尼~ず」
 ページを開いてしょっぱなから渋谷を闊歩して歩くのは「お姫様」いえ、「age嬢」風の、お髪のトップをぐ~んと膨らませてくるくる巻髪にしたお姫様たち。
 この作者の東村アキコさん、なかなかファッションセンスがおありの方のよう。
 age嬢が、なんともモードチックで、おしゃれです。
 その対比であるヲタ女子たちの、なんとも哀れなこと!
 おまけに、共同生活の家主は行動が夜行性の、ボーイズラブを書いている売れっ子作家。~と、まあ、念には念の入れよう。

 男子禁制の、その「尼~ず」に、ある日、age嬢を装った「女装男」(じょそお)がやってきます。
 さて、男と知らず、ましてや自分たちとは人種の違う「age嬢」ふうの子を見た、ヲタ女子たちの反応は。
 
 ヲタ女子(腐女子)のひとりひとりが、実にリアリティがあります。
「いるいる、こんな子、確かにいそう・・・」って感じ。
 
 さて、ここで「腐女子に聞いてはいけない質問ランキング1位」を発表します。
・質問:「仕事とか、何してる人なの?」
・答え:「尼~ずの収入源、それは仕送りだ!」
 
 すごいところをついてくるマンガです。
 児童文学はぜったい、こんな世界、書けないだろうなと思いながら、ヲタ女子たちの見事な描きっぷりに、抱腹絶倒。
 いや~、おもしろかった。
 2巻もすぐに買いに行こっと。(現在、2巻まで)
 
 それにしても三浦しをんさん。こんなマンガまで読書のテリトリーに入ってるなんて、その幅の広さにびっくり。
 いやはや恐るべし、です!
コメント (2)
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