20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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朱の回廊

2009年11月02日 | Weblog
 東京にかえってきました。
  
 写真は春日大社の回廊です。
 朱の柱と石灯籠のたたずまいがなんとも美しく、一瞬まるでファンタジーの世界に迷い込んでしまったような気分になりました。

 春日大社のあたりはすでに紅葉が始まっていて、真っ赤のな木の葉が秋の空にまぶしくひかっていました。
 石灯籠との対比ではなく、凝った技巧で作られた灯籠との対比の回廊の場所もすてきでした。
 
 この柱の朱色は、「結界」を意味しているらしいです。
 結界なる言葉を知ったのは、十年ほど前、小学館漫画賞を受賞した高橋留美子の漫画『犬夜叉』です。
『犬夜叉』には、いま児童文庫シリーズで展開されているファンタジーの原型ともいえる手法やアイテムが満載されています。
 エンターテインメントファンタジーのキャラクターや展開の方法を学ぶにはベストテキストだと私は思っています。
 
 さて、話が逸れてしまいました。
 結界です。
 ゲームマニアの方なら言わずとしれた言葉です。
 結界とは、聖なる領域と俗なる領域を区分けするためにバリアを張ることです。
 ではそのバリア、すなわち結界がなぜ朱色なのか・・・。
 朱というのは、どうやら命の色すなわち血の色で、死とは対極の位置にあるものなのだそうです。
 ですから死霊を封じるために、この朱を用いるとか。
 日本・韓国・台湾などの神社仏閣で見かける、この朱色がそんな意味を持っていたなんて驚きです。
 古来からの美意識というのは意味が深く、東アジアあたりを舞台にしたファンタジーの世界を考えている人にとっては魅力的な素材になりそうです。
コメント (6)
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