第一回「新・童話の海」にご入選された佐々木ひとみさんのその入選作です。
佐々木ひとみさんはずいぶん以前に、『英国アンティーク夢譚』(KK ベストセラーズ)というご本をお出しになっています。
そのご本をお送りいただいたのがご縁で、その後日本児童文学者協会にもお入りいただいたという、ずいぶん古くからおつき合いのある方です。
さて、『ぼくとあいつのラストラン』です。
今回の「新・童話の海」の入選作は、期せずして二作とも「死」がモチーフとして描かれていました。(もう一作は、『華花さんのあたらしい家』(田中良子作))
けれどそこには、暗さがみじんもありません。
ジイちゃんの死に直面した「ぼく」は、それまで知らなかった「ジイちゃん」「バアちゃん」ふたりを知ることになります。
そこには、亡くなった「ジイちゃん」の茶目っ気や、「バアちゃん」への深い愛が込められていました。
だれもが体験したことのある、親や祖父母の死という普遍的なテーマを、こんなふうに、次へ足を踏み出すための一歩として捉えたところにとても新鮮さを感じました。
お葬式の日の大人たちの語らいの描写は、もしかしたら作者ご自身の体験から生まれたシーンかもしれません。とてもリアリティがあるので。
ラスト、流れ星のふる闇の、畑にあるユズの木のシーンは感動的です。
スカイエマさんの絵も感傷を許さず、この作品にクールさを与えていてステキでした。
皆さま、どうぞお読みになってください。
佐々木ひとみさんはずいぶん以前に、『英国アンティーク夢譚』(KK ベストセラーズ)というご本をお出しになっています。
そのご本をお送りいただいたのがご縁で、その後日本児童文学者協会にもお入りいただいたという、ずいぶん古くからおつき合いのある方です。
さて、『ぼくとあいつのラストラン』です。
今回の「新・童話の海」の入選作は、期せずして二作とも「死」がモチーフとして描かれていました。(もう一作は、『華花さんのあたらしい家』(田中良子作))
けれどそこには、暗さがみじんもありません。
ジイちゃんの死に直面した「ぼく」は、それまで知らなかった「ジイちゃん」「バアちゃん」ふたりを知ることになります。
そこには、亡くなった「ジイちゃん」の茶目っ気や、「バアちゃん」への深い愛が込められていました。
だれもが体験したことのある、親や祖父母の死という普遍的なテーマを、こんなふうに、次へ足を踏み出すための一歩として捉えたところにとても新鮮さを感じました。
お葬式の日の大人たちの語らいの描写は、もしかしたら作者ご自身の体験から生まれたシーンかもしれません。とてもリアリティがあるので。
ラスト、流れ星のふる闇の、畑にあるユズの木のシーンは感動的です。
スカイエマさんの絵も感傷を許さず、この作品にクールさを与えていてステキでした。
皆さま、どうぞお読みになってください。