20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『恋する新鮮組3』(越水利江子作・角川つばさ文庫)

2009年12月29日 | Weblog
 京都にお住まいの作家、越水利江子さんの『恋する新鮮組』シリーズの完結編が出版されました。
 新撰組ブームでおまけに、来年のNHK大河ドラマは坂本龍馬。
 こんなタイムリーな時期なのに終わってしまうなんて、がっかりしたファンも多いはずです。
 
 シリーズ完結編のこの3巻、またまた一気に読ませます。
 新撰組に「空ちゃん」という少女を投げ入れたことが、このシリーズのなによりの成功の所以でしょう。
「空ちゃん」を通して、新撰組とはなんぞや、新撰組にはどんな人物がどのようにいたのかということを知りつつ、少女の甘やかな感性を存分に楽しめる仕組みにもなっているのです。
 沖田総司を見つめる、空ちゃんのまなざし。
 その他、空ちゃんの新撰組の男たち分析。
「空ちゃん」を語りながら、実は作者の越水利江子さんの「オトコ」分析が入ってくるのが、実に色っぽいです。
  
 そして剣のシーンは今回も臨場感があって、ハラハラドキドキさせられます。
 史実をよく調べられ、おまけにお住まいが京都でいらっしゃるということが、この物語に描かれている京都の町や地の利を、読者にすぐそこに見えるようにリアリティを持って描かれています。
 さて、池田屋事件をへて、「空」ちゃんと沖田総司はどうなっていくのでしょう。終わってしまうのがもったいない気持ちです。
 皆さま、どうぞお読みになってください。
コメント (8)
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