若い作家の友人、佐藤佳代さんのデビュー二作目です。
これまで佐藤佳代さんと言えばファンタジーというイメージがあるくらい、いくつもの壮大なファンタジー作品を書いていた作家です。
もちろんデビュー作もファンタジー。(「オリガ学園 仕組まれた愛校歌」金の星社)
しかし今回のこの「マブイ 魂」は、海の中での幻想的でファンタジックなシーンはありますが、ファンタジーというよりむしろリアリズムです。
舞台は石垣島近くの離島。
ですから作中での会話は、沖縄のことばです。
主人公の住む離島には、エメラルドグリーンの海や寄せては返す白い波、風にあおられる葉ずれの響きや、あったかい人びとの暮らしがあります。
その暮らしの中で起こる、家族をめぐるいくつもの不幸。
思いがけず、突然起こる不幸のシーンには、読んでいてどきっとしました。
大切な人たちの死。
マブイ(魂)は道を通って島にもどってくる・・・。
海でおぼれかけたナナミとテルは、海のなかで必死にもがきながら、たしかにそのマブイの通ってくる光の道を見ました。
ニィニィとヒトミネーネーの幻想も。
臨場感のあるシーンです。
離島の暮らしの豊かさ、あたたかさ。
風のそよぎや、美しい夕日。
芳醇な果実の匂い。
海の蒼さ。
そんなものを、視覚いっぱいに感じさせてくれる物語です。
ぜひ皆さん、お読みになってください。
これまで佐藤佳代さんと言えばファンタジーというイメージがあるくらい、いくつもの壮大なファンタジー作品を書いていた作家です。
もちろんデビュー作もファンタジー。(「オリガ学園 仕組まれた愛校歌」金の星社)
しかし今回のこの「マブイ 魂」は、海の中での幻想的でファンタジックなシーンはありますが、ファンタジーというよりむしろリアリズムです。
舞台は石垣島近くの離島。
ですから作中での会話は、沖縄のことばです。
主人公の住む離島には、エメラルドグリーンの海や寄せては返す白い波、風にあおられる葉ずれの響きや、あったかい人びとの暮らしがあります。
その暮らしの中で起こる、家族をめぐるいくつもの不幸。
思いがけず、突然起こる不幸のシーンには、読んでいてどきっとしました。
大切な人たちの死。
マブイ(魂)は道を通って島にもどってくる・・・。
海でおぼれかけたナナミとテルは、海のなかで必死にもがきながら、たしかにそのマブイの通ってくる光の道を見ました。
ニィニィとヒトミネーネーの幻想も。
臨場感のあるシーンです。
離島の暮らしの豊かさ、あたたかさ。
風のそよぎや、美しい夕日。
芳醇な果実の匂い。
海の蒼さ。
そんなものを、視覚いっぱいに感じさせてくれる物語です。
ぜひ皆さん、お読みになってください。