20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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坂本藍子個展(白い幻燈)

2009年12月04日 | Weblog
 息子の妻・Mさんの二人姉妹の妹さん。日本画家・坂本藍子さんの個展のお知らせです。
 木漏れ日や水のゆらめきなどをテーマに描いていらした藍子さんの作品には、いつも光と影が美しく混在しています。
 多摩美の大学院まで進み日本画を学んだ彼女は、日展にも何度か入選したり、数々の賞に輝いたり、横浜のそごうや、神戸のそごうなどで、これまでたくさんの個展を開いたりしていて、いまや美術界では人気実力ともに若手の日本画家で注目のおひとりです。
 その藍子ちゃんが、佐藤美術館で発行している彼女の作品カタログ集に書いているエッセイから、ちょっと抜粋。

「宮沢賢治へのオマージュ」
< (中略)  賢治の文章は刻々と変化する自然界の光の現象を、色鮮やかな鉱石を使って表現するという独特なスタイルを持っています。例えば、雲の間から白い光の棒が山脈に落ちてきたときの情景を、山が「さびしい群青色の泣き笑いをする」というように表現していますが、この「さびしい群青色の泣き笑い」というのが岩絵具の群青の性格に似ているような気がしてなりません。岩絵具は鉱石の粒子なので、同じ材料を使い自然のゆらぎを表現する行程に強く共感します。
 私にとって、賢治の詩や童話は表現テキストでもあり、現実よりずっと大きな時間の流れにつつまれた自然の営みや、太陽や月のやさしい光を思い起こさせてくれるオルゴールのようでもあります。>

 幻想的な水を泳ぐ魚たちや、林を駈けぬける白馬。木漏れ日に舞い躍る蝶の群れ・・・。まさに白い幻燈の世界です。
 お近くにいらした折りには、ぜひお立ち寄りください。
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     坂本藍子個展(白い幻燈)
日時・11月26日(木)~12月20日(日)入場無料
場所・(財)佐藤美術館(新宿区大京町31-10 03-3358-6021)
(JR信濃町を出て慶応病院左側の道(JR線路沿い)を直進。坂を下りきったところにある四谷第六小学校向かいです。)
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