子どもの頃からだいすきだったルドンの絵画「グラン・ブーケ」
いま丸の内の三菱一号美術館で、その「ルドン展」が開かれていて土曜日に夫と行ってきました。
中学生のころ家にあった画集をぱらぱらめくっていて、出会ったのが、この「グラン・ブーケ」でした。
パステルで描かれた色彩のやわらかなうつくしさ。
そのうつくしさのなかに、ひそかに潜り込まされている闇と幻想性。
このうつくしさと闇の混在した絵の、圧倒的な存在感とうつくしさに、子ども心に衝撃を受けたことを覚えています。
水彩や油と違った、パステルの存在感。淡くうつくしいのに、これだけの存在感を描き出せるパステルそのものにも魅力を感じたものでした。
絵の素養もなにもない私でしたが、父にねだってすぐに24色のパステルを買ってもらいました。
パステルはやわらかな外見に比べて、なかなか手強い画材でした。その使い勝手はとても難しく、思わぬ強者ぶりを折々に見せていました。
なんどがノートにお花などを描きましたが,とうとう描くことを断念。
パステルの箱を持っているだけでしあわせという心境に辿り着き、今日に至っております。
あの子どもの頃から数十年の時を経て、本物のパステル画「グラン・ブーケ」と、とうとう出会うことが出来ました。
本物は、驚くほど大きな絵でした。
その絵の前でしばし立ち尽くし、あの少女だったころの気持ちを思い出していました。
それにしても、三菱一号美術館はいつ行っても、ほんとうにステキです。