20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

『ファニー13歳の指揮官』(ファニー・ベン=アミ・伏見操訳・石川えりこ・装画・岩波書店)

2017年08月17日 | Weblog

         

 フランスに住んでいた、ファニーという13歳のユダヤ人少女の実話です。

 ユダヤ人迫害は、こうしてフランスに住む、ユダヤ人のところへも押し寄せていました。

 収容所に連れて行かれたお父さん、離れ離れになってしまったお母さん。

 ユダヤ人狩りから逃れ、ファニーは、妹2人や、13人もの子どもたちを連れて、まだ少女である不安や悲しみを押し込めて、リーダーとして知恵を使い、勇気を出してスイスまで逃げのびます。

 そんなファニーの姿に胸を打たれます。

 石川えりこさんのファニー像のひたむきな眼差しに、ファニーの意思の強さを感じます。

 ぜひ、お読みになってください。

          

 また、このご本の、表紙カバーを外すと出てくるのが、ファニーと書かれたノート。

 ファニーはスイスへ逃げのびながら、その様子を、この日記に記していたのです。

 

「かわいくて、おしゃれ!」と思っていたら、さらに画家の石川えりこさんから、何冊か、特別に作られたという、小さなノートをご恵贈いただきました。

 このノートが、この作品が生まれる原点だということを、本をお読みいただければわかります。

 本とこのミニチュアのノート。

 大きさを比較していただければ、そのかわいさが、お分りいただけるかと思います。

 こういう特別に作られた、ミニチュアって、大好きです。

 

         

 ミニチュアで思い出したのが、まだ古田足日さんが、ご存命のころ、人気の名作「おしいれのぼうけん」(さく・ふるたたるひ・たばたせいいち・童心社)が「200万部突破を記念して、ミニチュアのノートと、鉛筆を作ったので」と、古田さんから送っていただいた、この本のミニチュアのノートと鉛筆です。(写真)

 もったいなくて、ずっと飾ってありました。

 本と比較して、写真を撮ろうと思ったら、13日に来たとき息子が「あ、この本、借りていくね」と、私の書棚から『おしいれのぼうけん』を持っていってしまいました。

 ですからちょっと比較ができませんが、ミニチュア版の、かわいいノートです。

 この「ファニー」のノートも、「おしいれのぼうけん」のノートも、これからもずっと、書棚の宝物のひとつとして、永久保存版です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする