20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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「ラケットはつくれない、もうつくれない」(青海美砂作・五十嵐志朗絵・梨の木社)

2019年03月21日 | Weblog

          

 今夜は、青海美砂さんのデビュー作「ラケットはつくれない、もうつくれない」の、出版お祝い会です。

 戦時下、赤羽の近くの尾久で、テニスラケットを作っていた、下町職人だったお父さまの人生を描いています。

 もうかなり前に、同人誌で、生原稿で拝読したことがありました。

 その時から、体験のリアリティを感じ、また戦時下にテニスラケットを作っていたという事実を知り、驚いたものです。

  

 この作品は、日本児童文学者協会と、小峰書店で行なっている「長編児童文学新人賞」の佳作受賞作でもあります。

 当時は「足で泣く」というタイトルでしたが。

 久しぶりに戦争を描いた児童文学を読みました。

 テニスラケットを作っていたお父さまと、戦争のため、それを銃の持ち手に変えさせられ、戦争に加担して行かざるを得ない葛藤が、鮮やかに描かれています。

 主人公の子ども時代から、年老いていくまでの、大河ドラマのような作りになっていますが、これは子どもたちにとって、戦争を考える、大切な一冊になると思います。

 今日は日本橋でお祝い会だということですので、伺わせていただきます。

 青海さん、本当におめでとうございます!!

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