20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

デヴィット・ギャレット

2021年11月09日 | Weblog
             


上のユーチューブ(クリックしてください)、「チャルダッシュ」は、ハンガリーのジプシーの民族曲です。  
ハンガリー語で「チャルダッシュ」というのは「酒場」のことらしいです。

ドイツ人の、デヴィット・ギャレットのバイオリンを聴いていると、楽器は違いますが、モーツアルトを思い起こします。
出自が、似ている部分があるからかもしれません。

天才であること。
イケメンであること。
幼い頃から、バイオリン教師であった父親に、バイオリンを習わされ、一日6〜7時間、弾かされていたこと。
そしてどこにいくのもついてきて、生活の全てを、バイオリンで束縛され、来る日も、来る日もバイオリン漬け。

モーツアルトと違うのは、17歳になったある日、ドイツ人の父親と、アメリカ人の母親から、逃れるように、内緒にNYのジュリアード音楽学校を受験し合格します。

それ以前から有名だったデヴィットですが、学費のため、グッチやアルマーニの、モデルをしながら、バイオリンの腕を磨いていきます。
とにかく、身長190センチでイケメンですから。
まさに現代版モーツアルト。
モーツアルトは小柄で、ひょうきんなところのある人でしたが。
ただ、デヴィットは、1980年生まれです。モーツアルトとは時代が違います。
父親は、ずっと教師として彼をバイオリンをやらせてきましたが、どこかで彼の自我や人間性をもっと、大切にしなければいけなかったのだと思います。
結局、彼は父親に幼い頃から特訓された、そのバイオリンの道を生涯進むわけですから。

五嶋龍くんの、バイオリンもやわらかで叙情性があって好きですが、もちろんバイオリ二ストとして活躍し、姉の五嶋みどりも同じくです。
姉弟は、母親の節さんの教育です。
でもこの節さんとみどりさんとの関係も、難しく、やはり「自我」が目覚める頃、抵抗もなく母親の言いなりになるというのは、大変なことなのかもしれません。

そんな姉のみどりさんも、苦悩の末、ニューヨーク大学で心理学を学び卒業します。

龍くんは日本で演奏したり、バイオリ二ストとして活躍しながらも、マイペース。
龍くんは、ハーバード大学に入学し、物理学を学び卒業します。
全く畑違いの学問も合わせて学び、姉も弟も、すごく幅のある大人になっていくだろうなと思います。

音楽家でもなんでもそうですが、その一つの世界で抜きんでた存在になり、それを生涯持続するのは、本当に大変なことです。
若ければ、若いほど。
そこにみどりさんは、心理学。龍くんは、物理学という専門を付け加えました。
今時の天才は、やはり先を見ています。

「モーツアルト」の伝記は、筑波大附属小学校の先生たちが監修された『読んでおきたい偉人伝 1・2年』(成美堂出版)で、以前書きました。

デヴィットのジプシー音楽の切ないバイオリンを聴くと、胸がキュとします。
41歳の彼は、これからどんな方向に向かっていくのでしょう。
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする