日本橋高島屋の4階の片隅。
そこに、その資料館はありました。
受付の人に、「こんなのがあったの、もう数十年こちらに通っているけど、知らなかったわ」といったら、
「2019年にできて、そのままコロナで・・・」と。
それにしても慎ましやかすぎる場所です。
「まれびとと祝祭」がテーマの小さな展示会でした。
監修は、多摩美の教授の安藤礼二さん。
パンデミックのたびに、人間は、ずっといろんな形で祈りを捧げてきた、その歴史がわかります。
「まれびと」の提唱者は、民俗学者の折口信夫さん。
まれびとは、もたらし、追い払うと言うことばと同義語だと、折口信夫はいいます。
「異物としてもたらされた病。それを彼方へ追い払って、救いを求める神でもあるのが、まれびと。一見、相矛盾する概念が同居する状況を、古代から私たちの社会は持っていたと」
感慨深い言葉です。
そしてその祈りは、祝祭でもあると・・・。
そうした、祈りは、日本の様々なところに言葉として残っています。
過去の人間たちも、こうして疫病やパンデミックを祈りの力で乗り越えていったのだとしみじみ思わされました。