ご恵贈いただいたまま遅れていた、新刊のご紹介です。
『じゅんばんこ!』(季巳明代作・はせがわかこ絵・フレーベル館)
2011年に直販で出版された絵本が、このたびハードカバーの絵本として生まれ変わりました。
年長さんになったさくらこちゃんは、ある日、お母さんに宣言します。
「きょうから、一人で寝る!」と。
子どもの心によりそって、あたたかく展開する物語の最後には、もうひとつ仕掛けが・・・。
これを読んでもらった子どもたちは、きっとその夜から、さくらこちゃんの真似をしたがりそうです。
季巳さんのやさしさの詰まった絵本です。
この絵本は、台湾・韓国・中国でも翻訳出版されているそうです。
『カバカバえん おばけとえんそく』(光丘真理作・山本省三絵・佼成出版社)
日本児童文芸家協会に所属していらっしゃる仲良しの友人、山本省三さんと光丘真理さん、おふたりで作られた絵本です。
おばけのようちえんで、バスにのって遠足にいきます。
そこでの出来事が、ちょっとユーモラスに、そしてちょっと怖く、真理さんのリズミカルな文体で描かれています。
山本省三さんのカラフルな絵が、光丘真理さんの文章をあと押ししています。
日頃、仲良しのおふたりは、絵本の世界でも、息がぴったり合っています。
『6番目の季節』(かとうけいこ作・おぐらあけみ絵・文芸の森社)
かとうけいこさんの、これまでの人生がぎゅっとつまった、あたたかい作品集です。
親子で楽しめるミュージカル絵本を、という思いから詩あり、歌あり、掌編あり・・・。
そしていまは亡きご両親へ捧げる思いも、ここには込められています
Facebookでお孫さんたちの、まぶしい成長の姿を記して下さっていますが、この作品集にその原点がありました。
このご本からは、ご家族がこれまで生きていらした歴史への、熱い思いまで伝わってきます。
『扉をあけると』(紙ひこうき編著・銀の鈴社)
日本児童文芸家協会、所沢支部の5人の皆さんで作られた同人誌『紙ひこうき』の単行本化です。
『ジャンケンポン仮面、ケンザン!』(かとうけいこ作)
後出しじゃんけんで勝ったものの、クラスメイトから責められた「マルオ」は、気が滅入るばかりです。
そんな「マルオ」にじいちゃんがアドバイスを・・・。
さて、ジャンケン仮面の正体は・・・。
読み終えて、子どもたちは、じいちゃんの深い愛と、大人の知恵に、やさしさをもらうことでしょう。
『ことばの詩集—方言と手紙』(銀の鈴社)
掌の本とあるように、11センチ×8センチの小さな、それでいておしゃれな詩集です。
31人の方々の方言をめぐる詩と、お手紙が収録されています。
どれも抱きしめてしまいたくなるような作品ばかり・・・。
『べっちょない』うたかいずみ
うたかさんの生まれ故郷、兵庫県・播州の方言、「べっちょない」。大丈夫という意味だそうです。
元気がでなかったとき、「大丈夫。べっちょない」と言われると、心が安らぎます。
うたかさんの詩からは、子どもの頃のおばあちゃんとの思い出や、やさしさの実感が伝わってきます。そして読み手をやさしい気持ちにしてくれる詩です。
皆さま、どうぞお読みになってください。