ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

晩秋の倶留尊山

2010-11-11 10:11:09 | 山日記
11月10日、8時過ぎに家を出ました。名阪国道を針ICで降り、榛原から国道369号線
(伊勢本街道)を東へ。栂坂峠に近付く頃は暗い空からポツポツと雨滴が落ちていま
したが、トンネルを三つ抜けると空が明るくなってきました。



掛で伊勢本街道と分れ、県道を北へ入ります。雲が切れて青空がのぞき、嶽見橋から仰ぐ
鎧岳に陽が射し始めました。岩肌に纏う黄葉や紅葉が鎧の「おどし」のように鮮やかに
輝いています。

太郎路で曽爾川を渡り、曽爾高原へ登ります。駐車場で車を降りると気温の低さに驚き
ました。風があり体感温度はかなり寒く感じたので珍しくヤッケを着て歩きだしました
(10時05分)。



お亀池の周囲には柵が巡らされ、このような灯篭がずらりと並んでいます。10月中旬
までライトアップされていたそうですが、さぞ幻想的な光景だったでしょう。
正面に見える稜線を目指してゆっくり登って行きます。



稜線に出たところが亀山峠です。東側に下ると三重県側で美杉村上太郎生に出ます。
西側を振り返ると、眼下にお亀池が見えます。その向こうに連なる曽爾火山群の山々は左
から住塚山、国見山、兜岳、ちょうど正面が鎧岳です。右手に見える建物は国立少年自然
の家です。(10時30分~35分)



一息入れて稜線を北へ向かいます。背後に見えるのは後古光山と古光山です。
吹きっさらしの稜線から樹林帯に入るとホッとします。この先に、入山料(一人500円)
を徴収する関所があり、そこを過ぎると見事な展望の開ける二本ボソ(996m)の岩峰です。
(11時10分~11時15分)



素晴らしい天気になりました。キレットを隔てて目指す倶留尊山を望みます。
右の形のいい山は、伊賀富士・尼ヶ岳。その右に大洞山。東側には伊勢の局ヶ岳や高見山
の鋭鋒も見えました。
ここまで名前をあげた山は、みな私たちにとって思い出のある懐かしい山ばかりです。



ロープの張ってある急な岩場や、滑りやすい急坂をいったんキレットへ下ります。
最低鞍部(916m)近く、足元は色とりどりの美しい落ち葉で埋め尽くされています。



再び急坂を登って、最後は何か由緒ありげな石垣の跡のような処を回り込むようにして
頂上の台地に出ます。三角点(1037.6m)の周囲には日本三百名山の標識や山名板があり、
広場を囲むようにいくつかのベンチが置いてあります。



山頂には4グループ十数人が思い思いに食事中でした。私たちもなるべく風を避けて
美しい紅葉の下でお弁当を拡げました。(11時45分~12時15分)

二本ボソの小屋で入山券の半券を渡し(登山カードの役割もしているらしい)、亀山峠
が近くなると、サイレンの音が聞こえて驚きました。見下ろすと池の畔に赤い消防車や
白い救急車が停まっています。あとで駐車場のお爺さんに聞くと怪我人があったそうです。
先日はヘリが来たこともあったそうで、「大げさなことじゃ」と笑っていました。

少し南の亀山(849m)経由でお亀池へ下ることにしました。午後になっても風は止む
どころか、ますます強くなり、亀山頂上では吹き飛ばされそうな程でした。(13時40分)
恐らく風速15~20mはあったと思います。頂上を過ぎて、急坂の階段に手摺のあるところ
では、それにすがるように下りました。



正面に住塚・国見、鎧・兜などの山を見ながら歩きます。



樹林帯に入ると嘘のように風は収まりました。午後の陽に照らされた紅葉の木々の間を
帰ります。



13時55分、お亀池に帰りました。銀色のススキの穂が風になびいています。
それにしても年々ススキの数が少なくなり、心なしか背丈も低くなったように思えます。
40年ほど前、初めて来た頃の、まだ観光地化していなかった高原風景を話合いながら
コーヒータイム。しばらく辺りを散策して、14時20分、曽爾高原をあとにしました。