小林綾花さんは、昨年の日本万華鏡作家展で作品を拝見し、作家さんご自身にお目にかかって以来、注目してきた若手の万華鏡作家さんのひとりです。
今日ご紹介するのは、「虹の星」シリーズの作品で、色をテーマに製作されたアクリル製の万華鏡です。
グラデーションカラーは、高透明度の樹脂を着色し、中に金箔、銀箔を閉じ込めたものだそうです。 筒に巻かれたユニークな図案とともに、この深い色合いの妙が魅力的な作品になっています。
たとえば上の作品はチベット文字とチベット独特の図案を配したデザイン。
文字の意味や図案の意味なども教えてくれました。 この図案はチベットの八吉祥のひとつ、ペルペウというもので、永遠の絆を意味しているそうです。
チベットの言葉や文化へのあこがれや共感を心に感じながら、万華鏡に込めたのではないでしょうか。
映像もまた個性的で、美しい。 キーワードは「煌き」です。 天然石、スワロフスキー、ガラス、金属などを外観のイメージに合わせて選んでいます。 オイルの流れにゆれながら、黒い背景に浮かび上がる煌きがとても素敵です。
色彩には、それぞれの人の意識の深い部分に触れ、影響する不思議な力と持っていると感じている小林さん。 自分の心に一番響く万華鏡を選んでもらえるように、ひとつずつ違った作品を生み出し、虹色の世界を自由に軽やかに舞っている感じがします。