現在渋谷の東急Bunkamura ギャラリーで開催中の万華鏡展から、今日は羽石茂さん・泉さんご夫妻の作品をご紹介します。
今年も目を惹いたのは、独自の装飾はんだのデザインが素敵なステンドガラスの作品です。 白のパーラータイプで、背の高い作品「Shanti(シャンティ)」は、直線と円の組み合わされたデザインがとてもお洒落です。 スイッチ一つで内蔵の照明がつき、美しい映像が浮かび上がります。 このライトは7色に変化するので、映像はオブジェクトの動きとライトの色で、多彩に変化します。 替えのセルもあるので、覗く楽しみは尽きません。
次は 「月の響」という作品。 こちらも装飾ハンダのデザインがユニークですね。 ガラスをつなぐハンダだけでなく、さらに手をかけて、デザインの中に取り入れています。
内蔵のライトで美しい映像を楽しめます。 羽石さんのパーラータイプの作品は、筒の下に見えているハンドルを回すと、筒の先端のオブジェクトセルが回転します。 手を伸ばしてセルを回さなくても、楽に映像の変化を楽しめるのが嬉しいですね。 私も、つい癖で手を伸ばしてセルに触ろうとして、この仕組みを教えていただいたのですが、そう言えば昨年も同じことを言われた覚えが・・・・。
こちらは12ポイントの曼荼羅映像です。 引き込まれるような美しい映像が次々に生まれます。 羽石さんに伺ったところ、そもそも仏教の曼荼羅に興味を持ち、自分でも表現なさりたいと万華鏡の世界に入ってこられたそうです。
オブジェクトを創られるのは奥様の泉さん。 ガラスだけでなく、布や糸、ビーズなど、様々な素材を組み合わせて、美しい映像を生み出しています。
次の作品は、泉さんの独創的な刺繍やアップリケをした布がガラスの下に収められた万華鏡です。
名前は「悠遠繍華」(ゆうえんしゅうか)。
オブジェクトセルは2つに区切られているので、2つのセルがあるのと同じで、雰囲気の違う色合いを楽しむことができます。 ライトが組み込まれていて、美しい30ポイントの映像を生み出します。 本当に細かくて美しいです。
鏡を組む角度がとても狭いミラーシステムですが、そこに映り込んだオブジェクトのほんの一部が曼荼羅模様として完成されていることを思うと、どんな工夫をなさっているのかしらと思います。
最後は「パラレル・ユニバース」 大きな覗き口の作品です。
テイパード3ミラーシステムが生み出す球体の色模様は、宇宙を見ているかのごとく、神秘的です。
個性豊かな外観のデザインとオブジェクト構成、そして細かくて優美な曼荼羅映像・・・羽石さんのどの作品も覗く人の心をとらえる万華鏡です。