時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

魔王

2009-06-04 | 読書
会社員の安藤は
弟の潤也と二人で暮らしていた
自分が念じれば
それを相手が必ず口に出すことに
偶然気がついた安藤は
その能力を携えて
一人の男に近づいていった

五年後
安藤の弟・潤也の姿を描いた
「呼吸」とともに綴られる
何気ない日常生活に流されることの危うさ


安藤兄は
殺されたのか!?
特異な能力の副作用により
自滅したのか
どちらにも取れるエンディング

そして
兄の死後5年の月日が経過

仙台に生活を場を移した弟・潤也
彼もまた
特異な能力を覚醒させていた…

それでそれで!?
これからいよいよクライマックス?
っと思ったら
終わってしまいましたお話…

犬養率いる未来党が
政権を奪取
嵐の前の何とやら
噴火寸前の危うさを秘めて…‘完’
ちょっとビックリ

続編とも言うべき『モダンタイムス』
読むしかないですわ(笑)

政治家への不信感
軟弱な外交政策
憲法改正
現代社会を
そのまま小説に投影しているような
気がしないでもない

確かに
諸外国に対し‘YES’‘NO’をハッキリ言える
政策に真摯な態度で
それこそ命を賭けるくらいの
強い指導者が現れてくれたら
日本は変われるのではないか?
そんな思いに駆られてしまうのも事実

ですが
私達一人ひとりが
安藤兄ではありませんが
何が真実なのか
裏にある何かを常に疑い
厳しい眼と判断力を持ち続けることが
重要なのだろう

それにしても
安藤兄の弟・安藤潤也
競馬で当てたであろう一億二千五百二十万円
いったいどう使うの?

気になる…