時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

女信長

2009-06-19 | 舞台/役者
天下統一を成し遂げた織田信長は
実は女だった




父信秀の命により
女性でありながら家督を継ぐ身
嫡男として育ち生きてきた信長
その女としての名は御長(おちょう)であったが
そのことを知るものは少ない

父は
世継ぎとしての信長を得たあとも
さらに男の子を幾人か設けた
しかし家督は
信長に譲ることを決めた

父親の志を継げるのは息子でなく
本当は女のほうなのだ

信秀は
口癖にように言っいた

そしてまた信長も
父の遺言を噛み締めるように
尾張の大うつけものを
演じながら織田家を継ぐ



その織田家を
継いだばかりの若き織田信長に対し
娘・帰蝶(御濃)を嫁がせながらも
隙あらば倒すことをも考える
美濃の蝮こと
斉藤道三と出会うところから始まる

会見の席で道三は
その眼力で信長が女であることを見破り
あろうことか信長を手篭めにし破瓜をさせる
初めて女となる信長

信長が
女であることを理由に
織田を攻め入る根拠はできた
しかし
道三はそうはせず
信長の語る「男の発想」と異なる
「女の発想」をおもしろがり
後ろ盾になることを決める
こうして信長の時代が始まる

信長が
「女」を武器に有力武将を引き抜いたり
あるいは
「女」であればこその自由な発想
勝ち負けではない正しいことを
天下の泰平をのみ願い
行動ができることを武器にしてゆく



信長が非力の「女」であればこそ
力を誇示することに執着する「男」と異なり
合理的な南蛮銃を早くから導入する
勝ち負けに拘る「男の名誉」ではなく
正しい「世の泰平」を願えばこそ
西洋式の軍の考えを取り入れる
あるいは
国を発展させる「楽市楽座」をとりいれる
そして
その自由奔放な発想がゆえに
独自に南蛮文化を勉強してきた
明智光秀という知将を得ることができた

しかし一方
いわゆる「女」である信長は
若い恋人・浅井長政に屈辱的に身体を任せ
その狂態のなかに女の悦びを見せる
また
体力の衰えに早い女がゆえに
疲れやすく癇癪もちになってしまう
あるいは刹那感情的になる

明智光秀は
信長を深く愛し
信長を裏からその愛情で動かし
天下を動かしていく

明智光秀は
表舞台に出ることなく
「キリストを裏切るユダ」のごとく言われるが
一途に信長を支えた

果たして
二人の運命は…
燃え上がる本能寺の中に
二人が見つけた真実とは

     「舞台・映像 企画制作プロダクション
          株式会社アール・ユー・ピーサイト」より引用



この雰囲気
この演出
何処かで見た記憶が…
っと思っていたら舞台「あずみ」じゃ~ありありませんか!
「あずみ」で構成・演出を担当された
岡村俊一氏
再び登場~~~

あまりにも
変化のない同じ構成&演出
ですが
山崎銀之丞扮さんの独特の解説
懐かしかったぁ~

黒木メイサさんの
鋭い眼差し!
目力が相変わらず素晴らしい

中川晃教さんの舞台は
「SHIROH」に次いで二回目です
こちらも
相変わらずの美声

台詞回し・殺陣・立ち姿
皆さん様になってて
目茶カッコイイ~
スピード感もあります!



ですが
内容的には…

武勇の信長は確かにカッコイイけど
女になったときの御長に
如何せん色香がない
御長になると
途端にオチャラケ的演出になるし

苦悩の根源が
御長信長=女としての幸せ泰平の世・人々の幸せ
余りにも安易

明智光秀が
『的は本能寺にあり!』
と信長を暗殺した
その本意があれだもの…

光秀は
共に‘泰平の世’を目指すことなく
信長をこの世から抹殺することにより
御長を女として永らえさせた
開放させた

このありきたりな下り…
普通過ぎませんか?

そうそうこの舞台
つかこうへい氏の「飛龍伝」とも
同じ空気感でした