時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

風が強く吹いている

2009-11-03 | 映画
<2人の出会い>

俺がずっと探していたのは、君だったんだ

ついにハイジは見つけた
共に夢を叶える仲間の切り札にして
最後の1人を!

彼の名はカケル・18歳
ハイジが4年生になる寛政大学に
この春から通う新入生だ
高校時代に
天才ランナーと呼ばれた
彼の走りをその目で確認したハイジは
戸惑うカケルを半ば強引に
自らが寮長を務める竹青荘に入居させる



まかない付きで
3万円という破格の家賃には
陸上競技部に入部して
毎朝5キロ走るという入居条件があった

ハイジの作るうまい料理のために
喜んで走り続ける8人の住人は
まだ誰もハイジの野望に気付いていなかった



<ハイジの宣言>

10人で力を合わせて、箱根で頂点を目指そう!

ハイジの突然の箱根駅伝出場宣言に
唖然とする9人
それもそのはず
ハイジとカケル以外は全員
陸上とはかけ離れた者ばかりだ

ニコチャンは
2浪に1留で25歳のヘビースモーカー
法学部のユキは
すでに司法試験に合格済みの頭脳派
ヴィジュアル系の顔立ちから
その名がついた王子は
愛する漫画の山の中で暮らす漫画オタク
キングは
クイズオタクの雑学王で
やたら日本語がうまいムサは
アフリカからの超マジメな国費留学生
神童は
心優しい性格で
竹青荘の良心と呼ばれている
新入生のジョータとジョージは
女の子にモテることしか考えないお気楽な双子の兄弟だ



<カケルの反乱>

あなたに、走ることの何がわかるんですか?

素人が、無理です!


強く反対したのは
なぜかカケルだけ
だが
ハイジには勝算があった

ニコチャンは陸上経験者
双子とキングはサッカー
ユキは剣道
神童は往復10キロの山道を歩いて通学
ムサに秘められた潜在能力は測りしれない

一応監督である
竹青荘の大家・田崎のゆるい励ましも受け
翌朝から箱根を目指す日々が始まった
驚くことに皆
カケルと遜色のないペースで走っている



もしかして、行けるのか?

カケルの期待を一瞬で壊したのは
青い顔で息も絶え絶えの王子だった
最初の課題は
予選会出場条件の
‘5,000メートル17分以内’をクリアすること

皆で真剣に走った結果
問題は33分の王子だけ
しかし
どんな時も前向きなハイジは
とりあえず走り切った王子を
「凄い進化だ」と称える



<ハイジ 倒れる>

速さだけじゃダメだ。そんなのは虚しい

記録会で
ぶっちぎりの速さを見せつけたカケルに
名門校六道大学のエース藤岡が声をかける
彼とハイジは
高校の同級生だ

奴も復調してきたな。
膝の故障さえなかったら、毎年箱根で会っていた


藤岡の言葉に驚くカケル
彼の完璧な走りに刺激され
カケルの中に焦りと欲が生まれる
漫画に夢中な王子と
呑気に酒盛りをする皆に
カケルの不満が爆発する



もっと練習しろよ!


その時
ハイジが初めて怒った

漫画と同じように、走ることを好きになれと言ったそうじゃないか!その言葉こそ本当の君だ!

そう言いながら
バッタリと倒れるハイジ
選手兼監督兼コーチ兼マネージャー兼管理人からくる過労だった
ハイジは
病院に附き添うカケルに問う

長距離選手に対する、一番の褒め言葉って何かわかるか?

速い…?

俺は、強い、だと思う




<10人の挑戦>

ここまで、一緒に来てくれて、ありがとう

人が変わったかのように
過酷な訓練を重ねた王子は
遂にタイムをクリア
寛政大学は予選会に向けて
夏の合宿訓練を開始する

近くでは
ライバルの東京体育大学も合宿
カケルの高校の同級生・榊の姿もあった

そいつ監督を殴って、俺たちの最後の1年を棒に振ったんですよ

挑発的な榊の言葉に
「知ってるよ」
と平然と答えるハイジ



夏が終わり
秋になり
予選会の日がやってきた
寛政大学は
最下位の9位ながら見事に通過
ついに箱根への切符を手に入れる

年が明けて1月2日
箱根駅伝のスタート地点
東京大手町
1区を走る王子は
プレッシャーに勝てるのか?
風邪を引いた神童は?
そして何よりも
ハイジの膝は!? 

最高の朝だよな、カケル

1本の襷にすべてを賭けて
ついにレースが始まった…

             「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用



高校時代
足の故障でエリート・ランナーの道を
一度は諦めたハイジ

同じく
高校時代
陸上部の監督を殴った事をきっかけに
競技から遠ざかった天才走者カケル

ランナーの神から
‘走る’才を授かった
2人の若者が出合った瞬間から
壮大な夢への第一歩が始まります



寛政大学の‘ヘタレ’部員8人?と
学生長距離界最大の華
冬の祭典‘箱根駅伝’出場

毎年
見入ってしまう箱根駅伝が
映画になっちゃいました



ハイジの編み出す
計算しつくされたトレーニング法と
走ることへの情熱そして信念
仲間への揺るぎない信頼が
部員の心を変えていきます

ハイジの故障の理由や
カケルが起こした事件の真相も詳らかにされ
いよいよ1月2日
補欠なし!ひとり欠けても代わりはいない!
心を一つにした10人が
一本の襷を繋げるために
走る走る走る



大半が個人種目である陸上競技の中で
リレーと駅伝は
唯一の団体競技です
ですが
孤独な戦いを強いられる競技でもあります
ひとりでも欠けてしまえば
すべての努力が水の泡になってしまう

ただ走るだけなんですよ
アスファルトの上を…
膝に悪いのに…
走るんです



距離が加算されるごとに
襷に籠められた熱い思いも比例していくわけ!
それを背負って走るわけですよ!
責任重大ですよね

たかが駅伝 されど駅伝

映画の中で
一貫して問うているのが
‘何のために走るのか?’です
それは人が
‘何のために生きるのか’
と云う意味も込められているようです

この大会後
それぞれが新たな道へと踏み出します
そんな中
カケルはひたすら走ります
答えを見つけるために



寮に住まう寛政大学陸上部員10名が
ま~性格も個性も多種多様なのに
妙に協調性が高い

実は
ハイジの徹底した食事やメンタル管理が浸透していて
走りの基礎が
知らぬまに作り上げられているのも笑える

皆さんなかなかの走りをしています
特に林遣都くん演ずるカケルの走りはお見事です
上半身が全然ブレてない
足が描く‘弧’が
これまた美しいのです

因みに
彼はデビュー作『バッテリー』では野球選手
『DIVE!!』で飛び込の選手
『ラブファイト』ではボクシングの選手を演じておりますが
今回は駅伝選手です
ここまで作りこむ根性と
抜群の運動センス!
素晴らすぃ~



三浦春馬くんが出演した
映画『奈緒子』を見終わったときもそうでしたが
この手の作品を見ると
絶対
走れないの解っているんですが
無性に走りたくなってしまうσ(^^;)

毎週
整骨院のお世話になっている現状では
ジョギングも無理だわね…


                

何でもいいですよ!
ひたすら打ち込めるもの
欲しいですね~

戻りたい、あの頃に…