時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

Iron Man - アイアンマン -

2008-09-20 | 映画


自ら開発したハイテクの鎧を身にまとい
‘アイアンマン’として悪と闘う男の活躍を描くアクション超大作
同名の人気アメコミを原作に
『ザスーラ』のジョン・ファヴロー監督が
世界平和のため正義を貫くヒーロー映画を撮り上げた
豊富な資金と科学技術で
アイアンマンに変身する軍事会社社長トニー・スタークを
『ゾディアック』のロバート・ダウニー・Jrが好演
繊細な精神も持ち合わせる人間味あふれるヒーロー像も見もの



頭脳明晰で
妥協を許さない億万長者の科学者トニー・スターク

自社新型兵器のデモ実験に参加するため
アフガニスタンへ赴き
みごと実験を成功させる
だがその直後
テロリスト集団の襲撃に遭い
胸に深い傷を負ったまま囚われの身となってしまう



犯人たちに
最強兵器の開発を強要されるが
敵の目を盗み
圧倒的な破壊力と
パワーを発揮できる飛行可能なパワードスーツを開発
自ら着用し闘うことで敵地からの脱出に成功する



この一件で
自社兵器がテロ組織に利用されているのを目の当たりにし
ショックを受けたトニーは
会社として武器製造を中止する一方
テロ撲滅を誓い
天才発明家として
人工知能コンピューターと最先端の技術を駆使し
秘かにパワードスーツの改良に着手



こうして試行錯誤の末
腕からのミサイル攻撃が可能な戦闘力
戦闘機より優れた飛行性能を持つ
究極のパワードスーツ=アイアンマンを完成させた

が…



初代プロタイプのパワードスーツは
日本のロボットアニメとキャラがダブってしまい
妙に懐かしいと言うか
笑えたと言うか
ツボにはまりました



トニーの胸のピカピカは
ウルトラマンを彷彿させるし
所々で決めのポーズがあるんだけど
仮面ライダーとかキャシャーンとか
鉄人28号とか
とにかく
どっかでみたことあるぞ!
って感じのポーズなんです



アメリカに帰国してから
自宅でパワードスーツを作る

どんだけの家に住んでんだか…



ヒーローモノは
一応に若くて
どちらかと言えば
誠実そうな雰囲気の
カッコイイ兄ちゃんが演じるものだけど
トニーは
女好きでギャンブル好き
カッコイイけど
おじさんの域に片足突っ込んでる感じで

そもそも
あの髭面…

ヒーローっぽくない(笑)



目立ちたがり屋だし
謙虚さとか
持ち合わせてないし

何様!?
俺様!!!
見たいな感じ

機械いじりは
子供が玩具に夢中になる様とそっくり



自宅にある
スーパーコンピュターは
半端なく優秀で
トニーのよきパートナーであり僕であり

また
火災予防のため
消化作業にあたるロボットや
撮影担当ロボット
パワードスーツ制作にあたるアシスタントロボットとの
やり取りが
時に漫才のようであったり
息子に話しかけている風で
思わずニヤケテしまうのであります



それとですね~
「名は体をあらわす」と言いますが
この作品では
「顔つきが役柄をあらわす」
と言えるくらい性格とかキャラが顔に出てます



例えば
トニーの会社の最高幹部ステインなんかは
両親も兄弟もいない孤独なトニーの
一番の理解者として公私共々サポートしてくれる
信頼の置ける風を装いながらね(^_-)-☆



でも
トニーが武器製造唱えて以降
ボロボロと化けの皮が
剥れていくんだけど
そのあたりの変貌がお見事!



これもステインが仕組んだ展開だったの?
なんてこともあり…

「マンダリンお前もワルよの~」
「いえいえ」
「ステインさんこそ」
「ふぉふぉふぉ」

なんて会話はなかったけど
そんな雰囲気ムンムンです



アフガニスタンのアジトで
さしたる設備もないのに
生命維持装置(トニーの胸で始終ピカピカしているやつ)なるモノを
事も無げに完成させてしまうトニーの頭脳
インスピレーションとイマジネーション
これこそ天才と言うのかも知れません



変わってるな~と思ったのは
「ハイ!出来ました」
と言って
パワードスーツが登場するんじゃなく
自ら開発し試着してる場面を描いているところ!

施作段階から
開発途中の試行錯誤

壁に吹っ飛ばされようが
部屋を壊そうが
自分で装着して完成に漕ぎ着けるところが
また面白かったし
ハイテクを駆使している様子が
金かけてんな~って感じで
楽しめましたよ



同じ億万長者で
ヒーローなのに
映画「The Dark Knight,Le Chevalier Noir」の
バットマンことブルースと
全然違うキャラ…

ブルースに
トニーの
不真面目さと言うか
図太さと言うか
俺様的な資質と言うか
ネジ一本飛んでるみたいな所が
半分でもあれば
人生
もう少し明るく楽しく生きていけるのに…

足して半分に割ったら?

なんて思ってしまった



日本では
2008年9月27日から全国ロードショー公開
http://www.sonypictures.jp/movies/ironman/

ギミーヘブン

2008-09-19 | 映画


誰にも理解されることのない感覚‘共感覚’
それを共有出来る相手の存在を知ってしまったら…

新介(江口洋介)はその感覚を胸にしまい
取り留めのない日常を過ごし
ヤクザ・紺野(鳥肌実)の下請け仕事として
インターネット上で盗撮サイトを運営している

親友・貴史(安藤政信)や
そばにいる大切な恋人・不由子(小島聖)には
理解されない哀しい闇を心に抱えながら…

麻里(宮崎あおい)は自分が共感覚を持つがために
誰とも分かり合えないという孤独を抱えて生きている
両親とは死に別れ
育ての親はなぜか次々に不審な死にとりこまれていく

新介と麻里
ふたりはある日
今までどうしても埋まらなかった心の奥深くにある
最後のパズルを持った存在として出会ってしまう



アンダーグランドのサイトで
‘死の商人’とされる伝説の男・ピカソ(松田龍平)
次々に起こる不可解な事件
それを追う警視庁・キャリア組の警部・柴田亜季(石田ゆり子)と
刑事・柘植(北見敏之)…

新介と麻里の運命的な出会いは
それぞれの人生を大きく巻き込んで
悲劇に向かって転がり始めるのだった…

               「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用

ストーリーについては
「CINEMA TOPICS ONLINE ギミーヘブン」
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6042
こちらに詳しく紹介されてます



この映画のキーワ-ド‘共感覚’
「視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚」
この五感のうち
ひとつの感覚に付随して
他の種類の感覚も同時に生じさせる
一部の人にみられる特殊な知覚現象

言葉や数字が色・味や匂い
手触りとして感じられる

例えば
目玉焼きは「四角」
スクランブルエッグは「長い棒」
スプーンは「タンポポ」
冷たい水にさわると赤と緑の二つの色が交互に光って見える
アルファベットの‘a’は「赤」
「2+4=6」ではなく「2+4=黄色」

宮沢賢治(詩人、童話作家)
アルチュール・ランボー(詩人)
スティービー・ワンダー (音楽家)
カンディンスキー(画家)
スクリャービン(音楽家)
ウラジミール・ナボコフ(小説家)
リチャード・ファインマン(物理学者)
これらの方々が
共感覚者なのだそうです

ちなみに適切な検査を受けていない故人では
レオナルド・ダ・ヴィンチ(美術家)
アレクサンドル・スクリャービン(作曲家)
ウラジーミル・ナボコフ(作家)
ワシリー・カンディンスキー(画家)
などが共感覚者だったのでは?
と言われているとかいないとか…



常人には見えない
そして理解&想像すら出来ない世界が
共感覚者の世界
例えば
映画「MATRIX」でNEOが初めて体験した
すべてがデジタル化されたようなビジョンみたいな…

‘共感覚’と言う興味をひく題材なのに
状況説明の範疇で終わっているのが残念
共感覚者の世界を表現するのは難しいけれど
トライする価値はあったと思うんだけどなぁ
予算とイマジネーションの限界?

この作品では
共感覚者は常に孤独な存在としてと
描かれているけれど
所詮人間と言うものは
自分以外の人間と
本当の意味での共感はありえない
同じように感じ認識しているかどうかなんて
誰にも解からないんじゃないんだろうか

普通とか平均的と言った尺度(基準値)は
あるようでないような不明瞭なものだと思うし
今自分がその枠に収まっていたとしても
基準値自体が全く違ったモノになっているかもしれないのだから…

むしろ
共感者は
芸術や学問の分野において
素晴らしい才能を発揮している

一つの個性として
捉えるのも
間違いとは言い切れないと思う

なので
新介が共感覚者である自分を
「機械で言ったら不良品だ」とまで
言い切る必要ない気がする

それに
麻里の辿った悲劇は
‘共感覚’の持ち主だったからではなく
兄の歪曲された
異常な愛情に起因するモノで
彼女の孤独は
共感覚者だったからではない
と思います

‘共感覚’は孤独の要素でも
悲劇の元でもない
ただし
これはあくまで
‘共感覚’を認識し得ない
人間の考えであり
当事者にとっては
はなはだ迷惑な感覚なのかもしれない



残念ながら
江口陽介演じる新介からは
共感覚者として抱える苦悩や孤独感を
感じられなかったし

宮あおい演じる麻里は
幼少期に受けた
PTSDに対する適切なフォローがなかったため
所謂
彼女自身の中に
異常性格を育ててしまったと判断しました

監督の描きたかった世界が
‘共感覚’を持って生まれた人間の悲劇であるならば
ピカソの生家があった場所で
新介と麻里が再会しお互いの‘共感覚’を確認し
心を通わせる人間に出会えたにもかかわらず
あのようなエンディングで終わらせたのも
已むを得ない?

エンドロール前に流れたのは
監督が描く
共感覚者の新介と麻里が
心安らかに暮せるフェイクの世界だと思われるが
監督の思考からすれば
あのようなシーンで
最後に救いを表現したかったのだろうし
そう考えれば
それなりに納得のいくところではあるが

‘共感覚’
一つの才能として捉えた私には
あくまでも共感覚者は
孤独で閉鎖的な世界でしか
生きられないと
強制されているようで好きではない





タンゴ・ミュージカル『Tanguera』

2008-09-18 | 舞台/役者
 

日本では
既に今年のはじめ
渋谷Bunkamuraオーチャードホールで公演されたようです

のHPによりますれば

2002年1月
アルゼンチン・ブェノスアイレスで初演された
世界初のタンゴ・ミュージカル
それが「Tanguera」

Tangueraとは
タンゴに生きる女を意味し
文字通り物語全編を通して
官能的・情熱的
スピード感溢れるダンスが堪能できます



ダンス・ミュージカルなのですが
ストーリーは
有るようで無いような
有るんだけど関係ないや!
みたいな雰囲気



20世紀初頭
ブエノスアイレスの港

港湾労働者のロレンソは
平凡な日々を過ごす一般庶民
気の合う仲間とつるみながら
それなりに楽しくやっていた

そんなある日
ヨーロッパから
最初の移住民を乗せた船が
ここアルゼンチンのブエノスアイレスに到着します

ロレンソは
タラップから降りてきた一人の娘に
心を奪われる
彼女の名はジゼル

ジゼルもまた
ロレンソを一目見て
心を奪われ

シェークスピアの
ロミオとジュリエットよろしく
恋に落ちた


当然のことながら
横槍が入る



裏社会に生きるガウデンシオ…
麻薬密売なんかにも手を出しているとんでもないヤツ

金と権力に物をいわせ
ジゼルを強引に手篭めにして
かこってしまいます

それでも
二人はガウデンシオの監視の目を逃れ
逢瀬を繰り返すのですが…

見つかっちゃいました



二人は引き裂かれ
ジゼルはガウデンシオの経営する
場末のキャバレーで踊りながら
身を売る暮らしを強いられます

時が経ち

色香漂う
イッパシノ女に成長したジゼルは
キャバレーのスターとして
派手な暮らしをしています

そこに現れたのは
こちらも立派な若者に成長したロレンソ

ジゼルをガウデンシオから奪い
今度こそ
二人の愛を貫くため
ロレンソは頑張ります



タイマン張って決闘!

でもって
ロレンソは
見事ジゼルを奪還

幸せになろうねモード全開で
二人の思い出の場所
ブエノスアイレスの港にやって来ます

ようは
二人して逃げましょうってことです
逃避行…

お花畑一杯って感じに
調子こいて踊ってたら

~ 完 ~


ここで終わりかよぉ~(唖然)
みたいな…
             


でもですね
非常に素晴らしいダンスでした
申し訳ないけど
ダンサーさんずっと踊ってて
と言いたいくらい素晴らしかった です

しっかし
なんですね~

タンゴには
ラテン系の
顔の濃い~兄チャン達が
実に似合います
もう最高よ!



この
エロさ(官能)&くどさ(情熱)は
亜細亜系のそれとは全然違う

エロカッコイイ方ばかり!

離れて見ている分には
申し分のない
カッコイイ兄チャン達でした



女性陣も
エロカッコイイ方ばかりでした
何処かの国のエロカッコイイと言われてた人とは
比べ物になりません

鍛え上げられた肢体から
作り出されるダンスは
それ自体が音となって
ステージから四方八方に放たれました

少しですが
↓のサイトで作品の雰囲気が味わえます

Tanguera(タンゴミュージカル・タンゲーラ)
http://www.chatelet-theatre.com/2008-2009/index.php#/Podcasts-english/

おまけ

来月観劇予定
Edward aux mains d'argent(ダンスミュージカル・シザーハンズ)
http://www.chatelet-theatre.com/2008-2009/index.php

ハンコック

2008-09-17 | 映画


嫌われ者のスーパーヒーロー
ジョン・ハンコック
彼が嫌われている理由は
「やりすぎ」だから

超人的な力で
ロサンゼルスで起こる
事件や事故を解決してくれるのは有難いけんだけれど
それ以上に
街の公共施設やら
とにかくに大損害を与える男なのであります



アル中で
素行もあまり宜しくなく
性格も荒っぽい
なので
市民にも毛嫌いされる

好きで人助けしている訳じゃない
人助けして
なんでこんなに
非難されなきゃいけないんだよ…

って
そもそも俺は
何で人助けしてるんだ?



そして今日も
自動車渋滞に巻き込まれ
踏切内で立ち往生し
進入してくる列車と衝突しそうになった
PR会社の社員レイ・エンブリーを救ったハンコック

その見返りとして
列車の脱線と
周囲の車両がことごとく破壊してしまったけど…



当然
周囲の人間からは
非難轟々

でも
レイだけは
「ありがとう」
とハンコックに礼を述べる



レイは
お礼方々ハンコックを自宅に招待し
ハンコックのイメージ回復作戦を持ちかける

彼を刑務所に入れて罪を償わせた上で
正義のヒーローとして
復活させる!

と言うのがレイの作戦



渋々ハンコックは
指示に従って刑務所に入り
更生の道を歩み始める?

レイとの度重なるやり取り
刑務所でのディスカッションの中で
次第に
物事の加減とか限度とか忍耐とか
パワーの調整と言ったモノを
理解&習得していきます



そんなハンコックに親身になるレイを
妻・メアリーは
複雑な心境で見守っているのです

余りにも
孤独に生きてきたハンコックには
協調性とか思いやりとか
物事の分別を理解することができない
学ぶ機会も
教えてくれる人間そのものが存在しなかったんだよね~

なんだか可愛そう



ハンコックが
刑務所にいることによって
街では
日増しに犯罪の発生率が上がっていきます
そして遂に
服役中のハンコックに
市長から助けを求める一本の電話が…



パワーの加減と
社交辞令を学んだハンコックは
見事に
銀行強盗をお縄にし
4C爆弾の恐怖から
人質を見事救い出し

正義のヒーローとして
生まれ変わったのです

街中の人々から賞賛の声と
拍手喝采を贈られるハンコック

メデタシ メデタシ



では終わらない

ハンコックの欠落している過去が
メアリーによって明らかにされます

aなたと私は遥か昔
夫婦だったのよ
我々はペアの存在だったのよ
お互いが引き合う



あなたは人間に近づいている
お互いが近くにい過ぎたから
あなたは去るべきよ
離れれば
お互いの力が戻るはずよ

人々を救う一番のヒーロー
それがあなた
神に約束されてるの

生き続けて
この世界を守るのよ…

この世界を守る
と言うより
かつて夫婦であったメアリーと
自分を認めてくれたレイや
レイの息子エレンを守るために
ヒーローとして
生きる決意をしたハンコックなのであります

それに
例え逢えなくても
携帯でもメールでも
お互いの近況を伝えることには
困らない時代だったりするんですね~

なので
「ダークナイト」のような
‘救いようのない悲愴感さ’
はないです

神が創った対の存在
ペア同士がそばにいるとパワーを失う
でも夫婦?

矛盾だらけの設定です
なので
そのあたりは
考えない方が無難と判断しました

未完のヒーローが
真のヒーローとして旅経つまでを描いた
ちょこっと涙をそそるお話です

ウィル・スミスの作品初めてみました
なかなか素晴らしい演技されてます
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるものわかる





Sweet Rain 死神の精度

2008-09-16 | 映画


死神が現れるのは
人が不慮の死を迎える7日前
観察期間の後
「実行」か「見送り」かを判断するのが任務
楽しみは
CDショップ‘ミュージック’を聴く事



今日の「ターゲット」は
27歳の一恵
家族を亡くし
恋人にも先立たれた薄幸の女性



しかし
ひょんなことから
音楽プロデューサーが彼女の声に惚れ込み
歌手にならないかとスカウトされる
一恵の将来を期待し
死神は死を「見送り」にする

そして
死神は
今日もまた
新たな「ターゲット」元へいく為に
人間界への扉を開けるのであった



「死神の精度」は
伊坂幸太郎氏による
死神を取り巻く6つの人生の物語

映画化にあたり
「死神の精度」の主人公・藤木一恵
「死神と藤田」からは中年のやくざ藤田
「死神対老女」では70歳の老女となった藤木一恵が再び登場する
オムニバス形式のストーリー構成となっている



死神
人間界での人間名は‘千葉’
調査部員として人間の世界に派遣されると
「ターゲット」である人間を
7日間にわたり観察し
死の判定をするのが任務

「実行」判定が下されると8日目に
「ターゲット」は現世を離れ
「見送り」判定が下されると
「ターゲット」は天寿を全うするシステム

ちなみに「見送り」は極々希



‘千葉’は
人間界で言う‘雨男’らしく
仕事で人間界へ赴くと必ず雨が降る
故に
青空と言うものを見た事がない

調査部員は他にも結構沢山存在しており
一様に皆
ミュージックをこよなく愛している
なので
CDショップに行けば
必ずと言っていいほど同業者の死神と出会う



常に人間界にいる訳ではないので
若干言語理解に難あり
特に
‘ナンパ’と‘難破’
‘醜い’と‘見にくい’
と言うような同音異義語に弱い

また
死神が素手で人間に触れると
人間は気絶し
寿命も一年間
縮まってしまう特性を持つ



前もって情報を
インプットしていなかったとは言え
想像していた展開と大分違っていた

金城武さんが
主演である条件を呈示され
伊坂幸太郎氏が映画化を了承しただけあって
死神役の‘千葉’を
金城武さんは好演していると思う


だからと言って
金城武さんが
この作品の出演をOKしたのか…疑問

「傷だらけの男たち(傷城)」
「レッドクリフ(赤壁)」と
硬派なキャラターが続いたから?



最後の「ターゲット」として
70歳になった藤木一恵と
再び‘千葉’が再会するのだが

見事な程
若かりし頃の
藤木一恵のキャラクターが欠落している

歌手となり
その後
結婚し子供も授かるが
やっぱり生まれ持った宿命から逃れることは叶わず
夫に先立たれる

自分が愛さなけれは死ぬことはない

そう確信した彼女は
あえて子供の育児放棄を決意
美容師の資格を取り
独りで生きてきたらしい

それにしても
富司純子演ずるかずえは
ちゃきちゃきの江戸っ子風になっており

違和感…



それに
藤木一恵の判定からやくざ藤田
そして老女となった藤木一恵の判定にいたるまでの
時の流れが唐突

人間界に向かう扉のシーンで
年月の経過を表現したつもりなんだろうけど微妙…

どのエピソードも
中途半端で
全体的に締まりのない
だらだらと状況説明しているだけに
留まっている的な印象だけが残った





千里眼の復讐

2008-09-15 | 読書


久しぶりに
本のコメント
書いてみようかと…

松岡圭祐氏の
千里眼クラシックシリーズ第4弾
「千里眼の復讐」
今回も
水野美紀さんをイメージしながら拝読

「千里眼 運命の暗示」で
中国13億人を一斉に操り日本侵攻に向かわせる
メフィスト・コンサルティングの集団マインドコントロールを阻止
日中開戦を回避した岬美由紀だったが
散々暴れまくったものですから
すんなり帰国できるはずもなく
南京国際戦争監獄に収監されてます

刑期は200年…

そんな美由紀に
提示された恩赦の条件は
香港・大埔で発生している謎の連続失踪事件解決

大埔心和身體的護養所を訪れた美由紀が見たものは
脳梁切断手術を施された人々と
無残に朽ち果てた死体の山だった

しばしば護養所に往診に訪れていた
女医・邸新玲(テイーシンリン)の診療所に踏み込み
そこで見たものは
東京湾観音事件の主犯・友里佐知子の写真…

国外逃亡を図る友里佐知子を
香港国際空港
ブリティッシュ・エアウェイズ機内に追い詰めた美由紀だったが
自爆の道を選び
なんの痕跡も残さず
この世から
自らの存在を抹消した友里佐知子

誰しもが
友里佐知子の死を確信していた
そう…
岬美由紀を除いては!

友里佐知子は死んではいない!
新たな陰謀を察知し
東京に戻った美由紀を
トンネル崩落事故が襲う

「恒星天球教がお送りするイリミネーションの儀式
 ここ山手トンネル避難通路にて、間もなく開始されます」
恒星天球教最高統括幹部・鬼芭阿諛子(きばあゆこ)の声が響いた

次々と送り込まれる
殺戮者イリミネーターと
生死をかけた
二千百十八人と壮絶な死闘が始まる

そして
岬美由紀は
イリミネーションの儀式に隠された
友里佐知子の真の目的を突き止める


クラシックシリーズなので
新作シリーズの年代から
若干過去に遡ってます

「千里眼 シンガポール・フレイヤーズ」では
ノン=クオリアと言う
謎の組織が新たに登場し

メフィスト・コンサルティング
ノン=クオリア
と言う
とんでもない組織との戦いを前に
友里佐知子が立ちはだかるとはね~
そっか そっか~
因縁の対決がまだ残っていたんだったね~

そうそう
今回も
希少金属
‘ゼフテロシウム’を巡り
メフィスト・コンサルティングが
しっかり絡んできてます

臨床心理士として
平常勤務の出来る日が訪れるのは
いつのことやら…

「千里眼の復讐」は
これまでの作品と違って
一般人が
脳梁切断手術を受けたイリミネーターと
生死をかけた死闘
‘殺し合い’を繰り広げます
美由紀自身も
躊躇なく殺戮を実行します

そう言う意味では
グロテスク度が強い
斧とかチェーンソーが出てくるので
スプラッター度も高い作品になってます

ズバ抜けた身体能力が
更に
極限を超えパワーアップ
今まで以上の超人さを発揮する
岬美由紀なのでありました

14歳の少年・日向涼平との
28歳岬美由紀の
恋話もあったりします

事件集結後
独り訪れた
横浜の山手トンネル

この場面は
己こそが
真の千里眼であると過信したがゆえ
致命的なミスを犯した友里佐知子
その彼女の総体能力を
岬美由紀が超えた
と思える場面と言えるかも!?


美由紀の携帯が鳴る

電話の向うから聞こえる
蒲生の緊迫した声


「友里が現れた きみの言ったとおりだな やっぱり死んでいなかったんだ」

そうだろう
きょうはあの忌まわしい事件の日から四十九日目
友里は宣言どおりに姿を見せた

四十九日
酔狂ではない
あの女のやることには
必ず意味がある
わたしは
その謎をも解いている

すべての兵隊を失い
いまや単独の存在となった凶悪犯・友里佐知子
もう誰も殺させやしない
あの女のためにひとりの命も失わせやしない
そして
わたしが
友里の暴狂の人生に終止符をうつ

どれだけ運命に弄ばれようとも
挫けない
いまのわたしには
友里の心が読める
宿命の戦いに
わたしはすべてを捧げる

                 『千里眼の復讐』より抜粋



今月25日には
最新作「千里眼 優しい悪魔」(上・下)が発売されます

美由紀vsダビデ 最後の対決

こちらも楽しみです



笑う大天使(ミカエル)

2008-09-14 | 映画


ひとりの少女が
由緒正しきお嬢様学園
<聖ミカエル学園>に転校してまいりました

彼女の名前は司城史緒

女手ひとつで育ててくれたご母堂様が身罷られ
途方に暮れかけたところへ
生き別れとなっていた
元伯爵の家系であられる兄君・司城一臣殿下
白馬ではなく
徒歩でやってまいりました
そして
兄君・司城一臣殿下の勧めにより
司城邸の第二主人となり
史緒嬢は渋々ながら転校してきたのです

根っからの庶民派
史緒嬢にとりまして
学園は
未知の世界
「ごきげんよう」のあいさつに
礼儀作法
朝から聖書朗読
ゆるやかな雰囲気と
時間が漂う領域なのでありました

そうそう
由緒正しきお嬢様学園ではございますが
自家用車での送り迎えはないようなのです
とっても不思議

司城家の邸宅でも
上流階級の生活スタイルに心が休まる隙も暇もなく
息のつまる毎日をお暮らしでございました
その上
スポーツ万能で成績優秀の史緒嬢は
やがて
クラスのお嬢様たちの憧れの的
雄雄しい名前と雰囲気から同じ2年生に
ラオウより強い
「北斗神拳」の第64代伝承者‘ケンシロウ様’
と呼ばれることとなりました



ある日
史緒嬢は
コッソリと学園の裏庭で焚き火を焚きます
そして
パイオニア庶民の定番
‘チキンラーメン’を作りました

そこにやってきたのは
クラスメイトで<コロボックルちゃん>の愛称で
上級生のマスコット的存在である更科柚子嬢
下級生から<オスカル様>と慕われている斎木和音嬢のお二人

ふたりに見つかり大いに焦る史緒嬢と
思わぬ光景に驚いた柚子嬢と和音嬢が大騒ぎしていると
焚き火からモクモクと煙が広がります
慌てて火を消そうとして
周囲にあったものを投げ入れたとき
不思議な現象が起こり
3人には不思議な能力が備わってしまいます

その不思議な力を知った兄君・一臣殿下や
和音の教育係・若月俊介
クラス担任のロレンス先生は
3人を厳しく注意
力を使わないことを約束させられます

しかし
実はお嬢様からは程遠い
‘エサのいらない猫を飼っていた’お三方は
この出来事をきっかけに
すっかり意気投合いたしました

ホンモノのお嬢様たちに囲まれながら
庶民であることがばれぬよう
引き続き
‘エサのいらない猫を飼っていた’=‘猫をかぶった’学園生活を
送るのでありました



「笑う大天使(ミカエル)」は
川原泉の中編コメディ少女漫画だそうで…
全巻ちゃめちゃ読みたいですσ(^^;)

完全なフィクション
ありえない設定
ハチャメチャなストーリー展開
世俗を逸脱した不可思議ワールド

中途半端なCG?
素人同然の異人役者
そして
<聖ミカエル学園>のご令嬢による
学芸会と見まごう程
見事な棒読み台詞のオンパレード

しかし
みな一様に
真剣に
且つ真面目に演じています



司城家の涙を誘う美しい兄妹愛
母の形見の小説が
実は◎☆▲□だったりするのです

好きです

イチオシは
伊勢谷友介扮する元伯爵・司城一臣殿下
史緒嬢曰く
「優雅さ」を「気品」と「威厳」でサンドイッチにして
「高貴さ」でコーティングしたエンゼルパイ
なのだそうです

伊勢谷友介さん
雰囲気かもし出してます

グ~です

世間の評価なんのその!
あたしゃ~あたしの感性道をゆくさね(笑)





注釈:昭和生まれの庶民派グルメ。美味であります。


ベネディクトゥス16世 訪仏

2008-09-13 | 仏蘭西探訪(20区内)


9月11日から13日にかけて
教皇‘ベネディクトゥス16世’が
即位後初めてフランスを訪れております

12日の夜には
ノートルダム大聖堂にて
ミサが行われ
それに先駆けパレードがございました

小生は
陣取りのため
1時過ぎからQuai de la Tournelle
(セーヌ川に沿った通り 対岸にノートルダム大聖堂が見える)
とシテ島に渡る橋が交差するポジションを確保

最前列をキープするも
交通渋滞で動かない
車の排気ガスを全身にまとい
配布された冊子の賛美歌を
歌いだす人々に囲まれ

座ることも出来ず
直立不動の体制で待つこと4時間以上

ある種‘苦行’

18時30分過ぎ
‘ベネディクトゥス16世’を乗せた
チンケな車が
ようやく小生の前を通り過ぎたのです



人生において
滅多に拝顔できないであろう
教皇‘ベネディクトゥス16世’ではありますが

如何せん
どちらかと言えば
一神教の‘神様’よりも
多神教の‘神様’を信ずる
小生には
その有難さが
理解できませんでした

教皇が目の前を通過した時の歓声…
人種の違いもさることながら
信仰感の違いを改めて感じた次第です

教皇のコメントを大型スクリーンで
拝聴しておりましたが
チンプンカンプンでしたし…
でも
一緒に見物したフランスの友人が
こそっと耳元で
「フランス語で話してだけど、何言ってんだが解からなかった」
と囁いたのには笑った

13日は
アンバリット廃兵院での
セレモニーがあるそうな…

今回
最大のミス…
デジカメ忘れたことです


la Defense

2008-09-12 | 仏蘭西探訪(郊外/地方)


毎日
映画ばっか
見ている訳じゃ~ないんです

外出だって
一応してるんです
あたくし…



以前にも登場したla défense
Grande Arche(新凱旋門)の
50周年を祝うセレモニーが
9日の21時から行われました



ライトアップされたGrande Archeに
レーザー光線による
50ème anniversaireの文字や
バースディケーキの絵が
次々と映し出されました



そして
音楽にあわせ
打ち上げられる花火



普段は
スーツ姿のビジネスマンやウーマンが集まるこのエリアも
夕方から待ちわびる
家族連れやカップルで賑わってました



たぶん毎年あるんじゃないだろうか…



一応
ここ副都心でしょ?

新宿副都心で
例えば
「祝!都庁創建○周年」とか言って
都庁の真ん前で
花火打ち上げてるようなもんよね~

ちょっと想像してみた


ベガスの恋に勝つルール

2008-09-11 | 映画


フィアンセの誕生日に
集まった友人達を証人に
思いっきりフラれたキャリアウーマンのジョイと
世間の厳しさを味ってこいと
突然父親が経営する工場を
解雇されたジャック



同じバーで別々に友人と飲んでいた
全く他人同士なのに
何故か
それぞれラスベガスに憂さを晴らしにやってきた
その上
部屋をダブルブッキング…

フロントにクレームつけて
スイートゲット
ついでにビップ対応の優待券までブンドッて
ゴキゲンな感じに
ハメを外しまくり
その場ののりと勢いで
行くとこまで行って
やることやって
翌朝目が覚めると
なんと
結婚までしちゃってました



酔いも醒め
綺麗さっぱりオサラバのはずが
ジョイのあげた25セントで
ジャックがスロットマシンが大当たり
棚からボタ餅
いえ
天から300万ドルが降って来た



お金を出したのは私!
スロット回したのは僕!
びた一文あんた&君なんかに渡さない

フフフ…
何言ってんの?
あたし達結婚してるのよ…

そう
ジョイの薬指には
しっかり結婚指輪なんかはまってるわけです



大金の所有権を主張する二人は
判断を裁判官に委ねる

でも
ベガスで酔っ払った勢いで結婚したことがバレ
酔った勢いとは言え
はじめに誓った約束を破ってはいけない!

必要以上に
正統な倫理観を公言する裁判官




判決は
6ヶ月間夫婦として生活する事
その間週1回夫婦でカウンセリングを受ける事
それらを守らなければ
貴方達のどちらにも
300万ドルは渡さない
永遠に凍結です!



と言うことで
離婚するわけには行かなくなった二人の
性格もライフスタイルも正反対な二人の
ドタバタ新婚生活が始まるわけです



「旅の恥はかき捨て」って言っても
限度ってもんがあるだろう
それに
10代や20代前半じゃあるまいに…
出会ったばかりの人と
その日のうちにノリで結婚…
‘ありえね~’



でもフィクションだし
ラスベガスが舞台なら‘まっいっか’
超下品なドタバタコメディーになるかと
少々不安な出だしでしたが
無難なエンディングを向かえてます

少しずつ
相手の良さに気づいて
心が近づいていく感じが
妙に純粋ぽくって微笑ましかった

  

相変わらずキュートなキャメロン・ディアスですが
個人的には「ホリデー」の方が好きかな~

ジャックを演じている人と
「守護神」のジェイク・フィッシャーを演じていた人が
同一人物のアシュトン・カッチャーとは…

その上
デミ・ムーアの旦那さんとは…



見終わって
「面白かった~」で終わる映画です
どう見ても
20代後半の男と30代前半の女と思われる
男女が主人公という
設定はキツイ