庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

善き憤り

2007-06-19 12:41:49 | 言葉
A good indignation brings out all one's powers.
- Ralph Waldo Emerson

善き憤(いきどお)りは人の力を全て引き出す。
- R・W・エマソン


一般的な怒り“anger”に対して、特に不当なものに対する(つまり正当な)怒りとして、この言葉“indignation”を使ったりする。とりあえず、憤(いきどお)りと訳した。

あのエマソンでさえこういうことを言っているのだから、未だに気の短い凡愚の私などが、時々、世事諸々の不条理に触れて憤ることがあっても、ある程度は仕方なしとせねばなるまい。

ただ、たとえそれが“善き憤り”であっても、彼の言うように“人の力の全てを引き出す”、つまり自己の持てる能力が発現されるだけでなく、貴重な生命エネルギーを膨大に消耗してしまうことがあるから、充分に注意する必要がある。もっとも、彼がこんなことを分かっていないはずはないので、この“善き”は“善く”と取って、“無理のない適切な”憤り方を示唆していると理解すべきだろう。

システムの復元

2007-06-19 00:50:00 | その他
2週間ほど前だったか、PCの調子が急におかしくなった。起動した後、直ちにシャットダウンのメッセージが出て、そのままフリーズしてしまうという症状。Win95や98の頃には似たようなことが時々あったが、大幅に安定したXPになってからはこういうことはなかった。

とりあえず、セイフティモードで起動して、「システムの復元」を使い、変調が出る直前にまで戻した。これで一応復旧したように見えたが、今度は友人に出したメールが届かないという現象が目立ち始めた。

これは、ひょっとしたらウィルスにやられたのかもしれない・・・と思い至って、自分宛にメールしてみたところ、本文の前後に・・・Beautiful ScreenSaver !・・・などという、なんも美しくないゴミが付いている。これが相手方のフィルターに引っかかっていたのだ。間違いなく何かのウィルスに感染している。早速、トレンドマイクロのサイトでオンラインスキャンしたところ、トロイの木馬の新種がシステムの深部にまで侵入していることが分かった。

かなりのショックだった。ネットを利用している以上避けがたいスパイウェアについては、ほとんど毎週スキャン除去している。ウィルス対策は、無線ルーターの防御機能を信頼していた上に、ファイヤーウォールの壁で相当強力に守られていると考えていた。大きく甘い姿勢だったと言わざるをえない。

ウィルスが生成した「rsvp32-2.dll」と「sporder.dll」という悪玉ファイルのディレクトリ(存在場所)を突き止めて削除すると、とたんにネット接続が不可能になる。TCP≠hPの設定まで勝手に変更しているのだ。とりあえずファイルを元に戻して、当面、メールはYahooのWEBメールを使うことにした。

さて、これからどうしたものか・・・最終的にはPCの再セットアップしかないかもしれない。ただ、かなり気持ちは悪い状態ではあるが、とりあえずネット接続に問題はないし、WEBメールも使える。しばらく放っておいて様子を見ることにした。ある時点で、自分に可能な限りのことをした後は、問題を脇に置いて、天の計らい自然の推移に任せる・・・というのが、馴染(なじ)みの方法論だ。

そして今日、ある解決策が閃き現れた。先の悪玉ファイルが生成された時日が分かれば、ウィルスに感染した時点が推定できる。それ以前の日付で「システムの復元」をすればどうだろう・・・?

今のOSには、時間を遡って現在までの過程を白紙にするという、タイムマシンみたいな仕組みが内蔵されている。悪玉ファイルは4月14日に生まれていた。そこで、復元日を4月10日に設定して実行した。これが大当たりの解決法だった。システムフォルダの中からは、2つの悪玉が見事に消えてなくなり、ネット接続もメール機能も元の健康な状態に戻った。

大いに嬉しかったので、ウィルス対策とシステム復元の関係についてネット検索で調べてみた。すると、これは知る人はとうに知っている当たり前の解決方法であることが分かった。そして、ある解説には、システムを復元して悪玉ファイルはなくなっても、もとの親玉ウィルス自体がPC内部からなくなったわけではないから、早急に根源を断たなければならない・・・と、恐ろしいことが書いてある。

3月にNTT光を導入した際に、NTT独自のウィルス対策ソフトが付嘱していたのを思い出した。接続設定の際にこれもインストールするのが普通なのだが、設定や保守の面唐凾チて放っておいたのだ。CDを引っ張り出して早速インストールし、これで再度ウィルススキャンを試みた。

すると・・・その結果は予想を超えて酷いものだった。スパイウェアも含めて全部で113個の感染。ほとんどトロイの木馬タイプだが、ウィルスは18個が検出され隔離された。これにはまったく驚いた。ネット歴12年・・・ウィルス感染などとはずっと縁遠いものだと思っていた。最近のウィルスは、余程のものを除いて、感染し発病していることさえ気付かせないのだ。

今回導入したNTTのソフトは登録会員用に常時更新され、ネットを通じて新しいファイルが出入りする度に目を光らせてくれるらしい。隔離されたウィルスは無事全て削除され一件落着というところだが、高速度・常時接続が当たり前となった今、しっかりしたセキュリティ対策ソフトは必須であることを痛感している。