庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

教育 1

2012-06-15 14:29:00 | 追憶

教育・・・大きく重いテーマだ。世界中でどれほど多くの父や母や先生方が、この問題の周辺で苦悩してきたか、そしてご苦労されているか・・・想像するに余りあり、私もその一分を経験している。

人は無知で生まれるが愚かに生まれるわけではない。人を愚かにするのは教育である」と言ったのは、イギリスのバートランド・ラッセルだった。(元は数学者で後にノーベル文学賞作家でもあった彼の肩書きを全て並べるには骨が折れる。彼はいくらか不器用な教育者でもあった。)

無知が愚かで不幸であるとは、私もまったく思わない。何も知らない(かもしれない)子供たち、海を行く魚たち、空を舞う鳥たち、大地を駆ける動物たち、そしてモノ言わぬ植物たち・・・彼らは、人間の基準では「無知」かもしれないが、まず不幸でないという事実は、ただ「美しい」としか言いようのないその姿態、「見事」としか言いようのないその生態を、少し注意深く観察すれば、たちまち了解できるだろう。

おそらく人間だけが、驚くほど賢明にもなり愚劣にもなり、従って幸せにもなり不幸にもなり得る、実に珍しい種類の動物であることは、すで歴史がくり返し証明しているし、その主たる要因が、人や社会や国家による教育であることに、疑いをはさむ余地はないように思われる。

 (幾分メンドクさい話はまだつづく)