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アナと雪の女王

2014年08月26日 | Weblog
映画「アナ雪」動員2000万人超え
興行収入も254億を超え国内第3位、2位のタイタニック(262億)も射程圏のようです。

そんなわけでまだ劇場公開しているのですが、実はもうDVDが出ているのですよね。これは映画が特別長く上映されているというより、DVDが出るのが公開4ヶ月と異様に早かったため起きた現象のようです。まあ、同時期に公開された相棒3はもうやっていませんから、長いと言えば長いのかもしれませんが・・・自治体ではDVDが出ると上映会などをやる所がありますが、まだ上映中という珍しいケースなので、著作権の問題から中止する所もあるようです。そういえば近所の児童センターでも宣伝していたけど、その辺大丈夫なのかな?
まあ、DVDが出てもまだスクリーンで見たいと言う需要はあるでしょうけど、自分はDVDで見られれば十分なので、今週借りてきました。(ネタバレあり)

結論から言うと、いい意味で、映画館に行かなくて良かったと思いました。GWに久しぶりにチケット売り場で行列に巻き込まれ、そのフィーバーぶりをまざまざと見せつけられましたから、非常に気になっていたわけです。おそらくあの後すぐ行っていたら、間違いなくリピーターになっていたことでしょう(笑)ストーリーは一見それほど複雑ではなく、流石ディズニーと言うべきか、子どもでも十分楽しめる作りになっていますし、要所要所でキャラクター達が歌い出すシーンはミュージカルのようで、幼児でもそれなりに楽しめるでしょう。ですが、テーマとか登場人物の行動の整合性とか、細かい点が気になってしまう大人は、1度見ただけでは満足できず、2回以上見ることで理解が深まり、納得できるようにできているのです。これは正に消費者泣かせの仕掛けというか、未だロングヒットを続けている理由であるとも言えるでしょう。その点、DVDなら何度でも見返せますからね。家族で見て、妹の子ども達ともう一回見て、1人でもう一度見てようやくストーリーの全貌が理解できたというか、引っ掛かりが解決できました。

1回目は流して見ていたので、プロローグに当たる子ども時代の伏線をずいぶん見落としてしまっていました。雪だるまのオラフー、アナの白い髪、クリストフとの最初の出会い(実はお互い覚えていない)、心が凍ると直せないなど、後で見ると詰め込みすぎと言うくらい伏線が入っていました。ちなみに、最初に出ていた仲間の氷売り達はどうなってしまったかと言うと、クリストフが彼らとはぐれトロールの所でアナの解呪を見ていた時に、トロールに「うちの子にしちゃおう」と言われていたため、おそらくそのままさらわれた形となり、彼はその後1人で育ったということなのでしょう。この世界の魔法は生まれつきでない場合も存在するようですし、氷を切りながら魔法がどうとか歌っていたから、彼らは絶対後で重要な役回りがあると思っていたのに、完全なる出オチでしたね(笑)
特に引っかかっていたのは「何故キスじゃなく魔法が解けたのか」でした。凍った心を解かせるのは真実の愛だけ、ということで、ハンス王子かクリストフのどちらを選ぶのか、まあ流れで言えば後者だろうなあ・・・と思っていた所、まさかのエルサエンドには誰しも驚いたと思います。しかし、アレだけキスが強調されていたのに何故しなかったのか、というのが一番の疑問でした。ところがもう一度見返してみると、長老的存在のトロールは、一度も「キスで解ける」とは断定していなかったのです。周りが勝手にキスだと解釈しただけだったのですね。この辺うまくミスリードされているなあと感心しました。真実の愛とは「自分より他人を大切に思う気持ち」であり、別に男女の恋愛に限定していないのです。アナはどちらかと言えば他人のことを考えず、「恋をする自分」が好き、自分が嫌だからエルサを助けに行くというようなスタンスだったので、クライマックスで自分が助かるよりエルサを助ける行動を選択できたことが彼女の成長の証となり、その結果エルサの心を動かしたわけですね。蛇足ですが、彼女は最後にちゃんとクリストフとキスしましたから、巷で言われている同性愛がどうのという指摘は当てはまらないでしょう。

エルサ視点で見ると、この作品は、雪の女王であるエルサが魔法の力をコントロールできるようになり、アナの凍った心を溶かす物語のようですが、実は途中で心が凍ってしまったのはエルサの方で、それを再び溶かすまでの物語だと捉えることもできます。実際、子どもの頃は明らかに魔法の力をコントロールできています。彼女はあのシーン以前にも何度かアナと雪で遊び、しかも両親に気づかれないようにできていたわけですからね。しかし妹を傷つけてしまい、その結果、二度と誰かを傷つけたくないと心を凍らせ、結果魔力の暴走を招いてしまいました。初めて魔法の力を知った両親の対応も最悪で、手袋や門など、物理的に閉じ込めることでこれ以上傷つけさせないというものでした。城から飛び出し、テーマ曲でもある「ありのままで」を嬉々と歌う姿は、その物理的な開放を喜びながらも、「ここなら誰も傷つけない」と、さらに自分の殻に閉じこもっていく、悲しい叫びでもあったわけですね。クライマックスで、エルサは劇中あれほど接触を避けていたのに、全く躊躇なく直にアナに触れ、抱きしめます。そして、実は傷つけると決め付けて避けていただけだと言うことが分かり、ようやく魔力のコントロールを取り戻したのです。ディズニー初のW主人公と銘打たれた意味は、二人の姉妹がお互いの凍った心を解かす物語だと言うことなのでしょう。

エンディングをわざわざ別人が別バージョンで歌っているのも、途中と最後では歌に込められた気持ちが全然違うということを表現しているのですね。人選は物議を醸したようですが(笑)

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