今日は亀有カルチャー。前回撮り忘れがあったと思うんだけれど・・・さてそんな中、女将さんは昔作ったオーナメントで楽しみつつ、次回作の打ち合わせをしたんだけれど、慣れないと難しくなっちゃうのね・・・何故ならオリジナル作品って言うのはサンプルが無いから自分で考えないとならない。
その時に一番大切な事は何か?を決めないと、全てがくつがえってしまうのね。今回の場合、アカシアの木が割とリーズナブルなのに、人気があるし見栄えも良い事から、ベースの木として取り入れる事から始まったんだけれど、重くなると飾る場所に困る・・・って事で中断していたのね。
すると今回、以前中断していたシナベニアって高価な木を持っているので、これで・・・と相談されたが、それを彫って欲しいとの事。ただ彫るとなると当然彫る手間が掛かるんだけれど、アカシアの場合は彫った後に油を塗って完成なのだが、シナベニアの場合、木を見せると言う感じでは無いので、同じ
彫ったとしても、その後ペンキを塗らないとならないのね。確かに塗るって行為は一緒のようだけれど、油にはムラは無く誰がやってもそう変わりが無いから、言葉としてはタダ塗れば良い感じだとして、ペンキの場合、ムラになったりしないように下塗りをしたり、何度と無くやらないとならなくなる。
当然そうなれば、アカシアを彫よりもお金は掛かる事になるのね。すると、頓挫してしまうのね。何故ならそんなに凝らないでお手軽にやりたいから・・って理由だからなのね。ここを理解して頂かないと、何度と無く繰り返す事になってしまうのね。その答えは1つで、お手軽に・・・ここなのね。
お手軽って言うのは、作り手として簡単であって、出来ればリーズナブルって意味を含んでいるのね。では普通はそうなるとどうなるか?って言うと、普通な場合、下地を買って張る・・・これが一般的だと思うのね。けれど俺の場合、木を彫ってタイルと木が平らになるって下地を普通に使っているのね。
これは普通の事では無いのね・・・一般的にはね。でも女将さん位の経験者には特に見慣れたもので普通化してしまっているのね。だからこんなのも特にビックリする事は無いのね・・・。いつもの彫った下地だから・・・絵が珍しいだけ。
これは1点モノなんだけれどね。ちなみにこれは前回からご新規さんがやっているものなのね。例えばこんな場合、お客さんに言われた通り彫るだけだから、木さえ任せて貰えば値段も手間も大体想像出来るのね。何故なら使うタイルも決まってしまうからなのね。でも今回の女将さんのような場合、難しい
のは、ホワイトボードを飾る為のタイルでの装飾って感じの話なんだけれど、それを2枚色違いで・・・となると、ペンキにすると最低2色を使いたくなるだろうし、そもそも一番大事になるのは、話せば話す程、軽量化する事らしいのね。そうなるとアカシアは真っ先に消える事になるのね。重いから。
何しろトレイなんかに使っているものだからね。しかも重いって言うのは重厚感なんて言葉に使われる位、それが高級感にも繋がったりもして、お気軽って事からは離れてしまうのね。そうすると、お気軽とかお手軽って事になると、薄い木にホワイトホードを張って、縁取りにタイルを張る・・・。
こんな事で解決するはずなのね。ただ問題はそんなに簡単じゃないのね。何故なら女将さんのお手軽って何?って事になるのだから。要するに女将さんの中で、彫るって下地は普通であって、でも彫るって事にもお金は掛かるし、しかも2枚って事は倍になるって事なのね・・・。
つまり彫る事は当たり前になっちゃってて、普通な感覚なんでお手軽な感じになっちゃうんだろうけれど、実際にもし何千円か頂く事になると、当然お手軽にはならなくなるし、そうなると見た目の可愛さでは済まなくなると思うのね。そもそもいつもの場合、どの木もこっちが彫った事のあるもので、
経験値ありきでの話だったりすると、今回の木での相談は間違いなくアカシアよりも割高になり、やる前からお手軽では無くなるのね。こうなるとまた話が戻ってしまう・・・この繰り返しになるのは、一番大切なのはお手軽であるのなら、まず下地が一番手頃にならないと・・・。
そうなると、いくらなんでも目の粗いラワンみたいな木は安いけれど、見栄えも悪い事から、シナベニアが良いと思うのね。しかも5mm程度のね。そこにタイルを張れば、俺の手間は四角く切るだけになり、大きさを決めれば明日にでも出来るのね。こんな事がお手軽なんじゃないのかな?
ただね、眼が肥えちゃうのね・・・だから一般的な事は見劣りしちゃうのね。しかもじゃ普通に張るか?となると、きっとそれも違っていて、ちょっと何かをしたくなるのね・・・例えばワンポイントとかってね。そうなると、また彫る事になるのね。つまりまた手間が掛かってしまうのね・・・。
けれどそれをもし彫らないで張るのなら、縁取りでも作ってその中にワンポイントで張るのなら、俺は特に何もしないで済むのだから、とてもリーズナブルになる。でも果たして女将さんはそれで納得するか?となると、もし彫る事は最低限ありきで・・・と考えていたのならこれも頓挫になる。
実はこれは棟梁にもあった事だけれど、例えばもくもく館って銘木屋さんでカット込みで2万円掛かったとする。でもこのカット全て直線でホームセンターで1カット50円だけれど、そこで購入したもの・・・が前提だから、銘木屋さんで買って銘木屋さんでカット・・・普通なのね。
ただ2万円って・・・木なのに・・・って普通は思うだろうが、普通だわっ・・むしろ相談に乗ってくれて探して貰ってなのだからね。それを更に俺の所で複雑な形にカットするデザインで・・・しかもそれを組み立て・・・どう考えても2万円で済む話じゃないのね・・・。
そもそも買った場所で頼んで見れば判るから・・・恐らく出来ない・・・って言われるか?恐ろしい値段を言われるはずだから。そもそも2万円なんて職人さんの1日の手間であって、しかも手慣れた事の値段。しかも、持ち込みなのね。でも見慣れた人には普通な事なのね・・・。あはははは。
いずれにせよ、もう全てが普通なのね。でもね、だから遠慮して・・・って言っている訳では無くて、棟梁の場合は誰もが出来ない凄いモノが作りたいなら、前代未聞の値段は仕方ないのかな?・・・って覚悟は欲しいし、逆に女将さんのようにお手軽になら、大きさだけでお任せにして貰えるとね。
つまり2人共、俺の腕に慣れちゃったって話。ただ、これで女将さんの下地は頓挫しなくて進めるはずなのね。いずれにせよ、棟梁のは失敗が許されない持ち込みの1点モノの銘木でやった事の無い事をしないとならない時間の掛かる事で大変であって、時間が出来るまで出来ない下地。
方や女将さんのは、やりたい事がはっきりしていないんだけれど、お手軽に時間の掛からないものってどんなの?って悩んでいて進まない下地って感じで、どちらも単純に進む話じゃないのね・・・だって普通じゃないんだから。同じ1点モノ的なものだから。
そう考えると、どちらも上手くなったからの悩みで、自分が上手くなればなるほど、自分の満足する大作を作ろうとすれば、失敗したく無いから考える事が多くなり、疲れてしまうだろうし、逆に上手くなってお手軽にやろうとすると、自分の納得するお手軽は普通の人達から見たらやり過ぎになる。
しかしその自覚が無ければ、自分の考えるお手軽にならず、お金も時間も掛かってしまう事になる。しかも大抵小物をやりたいのは、大作疲れだし、疲れるのは何?って言うと、考える事だったりするから、本末転倒になってしまうのね。だったら楽なのは道の駅で買って来た台にほぼ張るだけ・・って
俺が作ったような模様の繰り返しなら、ほとんど考える事無く終わって行くのね。つまり考える事を極端に減らすと、結果はこんなの出来ちゃった・・・って感じね。だってその先の結果を考えずに、この次どうしよっかなぁ?・・・って、全体を考えずに今のここだけの事で進めるんだからね。
だから外側から1列ずつ進む・・・ってね。でも考える事に疲れ、考える事を減らすと、考えていない事に不安になったりもして・・・堂々巡りなんて事になりそうだけれど、ある意味それも勉強だったりする訳で。いずれにせよ、上手くなった人達の悩みなのね。