『寒風が体を横切る散歩道
兵どもも肩を震わせ』
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午後から、近くの神社まで散歩に行きました。
今日は、雪が降ることはありませんでした。
ちょっと寒がゆるんできたのでしょうか。
それでも川べりを歩いていると冷たい川風が体にあたりました。
神社のところまでやってくると、神社の石垣と側溝のところで、2人の見たことのない方が何か探しています。
なんだろうと思いながらも境内に入りました。
しゃりんしゃりんと鳴らして、今年3度目のお参りでおす。
神主さんが境内を掃除していたので、あいさつを交わしました。
神社の梅の蕾も開いてきています。
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お参りがすんで道路にでました。すると、さっきの2人の方がまだいました。
今度は、水をかけながら、タオルで石垣の石を磨いています。
神主さんもそこにいました。
どうするタオルで。
「やっぱりな。あった、あった。」
などと話をしています。
「どうしたのですか。」
と聞くと、
「この石を見て下さい。」
見ると、水をかけられ、タオルで磨かれた石垣の石に文字が浮かびあがっていました。
「天正12年」と書かれています。
「天正12年なら、1584年ですね。」
すごい。すぐにわかる。
歴史家の方々なのでしょう。
こちらは、1854年。戦国時代であることならわかります。
「野仲氏がこの神社に石垣を作ることを命じたのですよ。」
この辺りをおさめて権力を持っていた反豊臣勢力の野仲氏です。
幼い頃から、この石垣のところを何度も通ったり、境内で遊んだりしていましたが、石垣の石にこのような文字が彫られていたのを気づきませんでした。
以前、この境内などでも戦いがあったというようなことを聞いたことがあります。
「この神社は、歴史のある神社なのですよ。大切にして下さいね。」
まあ、こちらも通りかかりの者ですが、しっかり肝に銘じておきます。
ぶらぶらっとした散歩のなかで、いきなり、タイムマシーンで戦国時代にタイムスリップさせられた感じがしました。
500年前の世界への突然の旅行です。
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たくさんある石垣の石の中からよく、あの文字を見つけたと思います。
お宮関係の方や、地域に住んでいてその文字のことを知っている人はいないと思います。
すごく歴史に詳しい方でした。
この方たちがいないと、この神社の石の歴史も消えていたのかも知れません。
もう少し、話を聞いてみたい気がしました。
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