新春を迎えました。
街に行くと、店先には、門松を置いているところが多いです。
正月の雰囲気がまだしっかりと残っています。
先日、テレビのニュースで、帰省してきたであろう家族を駅のプラットホームで見送っている映像がありました。
ハンカチで涙をぬぐいながら、手を振っていました。
きっと楽しい正月を過ごして、1年に何度も会えない家と別れを惜しんでいるのだろうと思いました。
元旦に、みんなで朝食事をしました。
仏間に掛けている父と母の遺影を見て、小学生の家族が、
「この人はだれ?」
と聞いてきました。
「ひいじいちゃんとひいばあちゃんだよ。」
と教えました。
「この人はだれ?」
と聞いてきました。
「ひいじいちゃんとひいばあちゃんだよ。」
と教えました。
以前にも教えたような気がしますが、会ったことのないひいじいちゃんとひいばあちゃんです。
これも時の流れですが、写真を見て、しっかり覚えてくれようとしていることに嬉しさを感じました。
父母が健在な頃、遠方にいる姉たちが家族を連れて、正月や盆に訪れてきました。
何日前からその日をみんなで楽しみにしていました。
カラオケが好きだった父や母に合わせて、みんなで歌合戦です。
またその時に録音したカセットテープがたくさん残っています。
にぎやかなひとときを過ごし、車や列車で姉たちが帰っていくのを、父や母たちと姿が見えなくなるまで見送りました。
父や母の見送る顔を見ると、涙がこぼれています。
姉たちもハンカチを目にあて、手を振っていました。
楽しかった時間を思い、またしばらく会うことのできない寂しさにみんなの思いが包まれました。
帰っていったあとは、寂しさをこらえていたのでしょう。
父や母は言葉も交わすことなく、静かにテレビを見るか、寝るかのどちらかでした。
見送ることは苦手です。
そんな見送りを先日のニュースから思い出させられました。
多くの人が正月を過ごしたあとに、寂しい思いをしながら、家族や親せきの人を見送ったことでしょう。
元気であれば、また再会もできます。
しかし、いつまでも元気であると思っていた両親をいつしか見送りました。
この別れには、再び会えることはありません。
出会いの中で、つながりを大切にしながら、この1年を過ごしていきたいと思います。
写真はふるさとの正月の風景です。