◇成功した市民運動家が「サステイナブル」と言う
数年前のことになりますが、ある大学のある市民講座に参りました。私が参加した講演は、町の活性化がテーマでした。講師は、市街地再生の市民運動家として成功した人です。
その講師が「サステイナブルな社会」ということばを盛んに使いました。簡単な英語の読み書きなら私にだってわかります。でも、この英単語sustainableは初耳でまったくわかりませんでした。当時一般的に使われはじめたばかりの単語でした。
こういう場合、講話の前後の文脈から想像すれば、なんとなくおぼろげにことばの意味が推測できるものですが、その時の私は皆目わかりませんでした。今、「goo辞書」で検索すると、「維持、継続できる」とあります。
注意していますと、今は「持続可能な社会」ということばが多数派で、「サステイナブルな社会」ということばが少数派であるようです。「サステイナブル」は、それほど定着しなかったようで、ほっとしています。
私は、数年前の時点で市民講座の席上、「サステイナブル」を連発した市民運動家出身の講師の人間性に疑いを持ちました。
◇「環境3対策」もなかなか覚えられません
環境3対策とは、「①Reduce減らす、②Reuse再使用、③Recycle再資源化」のことと、説明されています。この用語は英語と日本語がひっついた形で使われて、環境関係のパンフやホームページでは氾濫しています。
我ながら滑稽というか馬鹿というか、このことばを見るたびに、私は英単語の方を覚えようとします。「R」が3つ並んで標語的で語呂がいい。人に話すとき、カッコよくこう話したいと思ってしまうのです。
「リデュース、リユース、リサイクル、すなわち減らす、再使用、再資源化。これが切実なごみ対策に取り組むべき3原則であります」
でも、「リデュース」ということばはもともと、私にはなじみがありません。「リユースとリサイクル」はどう違うのか、人に説明しようとすると、わからなくなってしまいます。
「ごみ対策としては、①ごみ減らし、②中古品の再使用、③廃棄物の再資源化、が大切です。生活者としては、ごみ減らしと中古品の再使用を心がけましょう」 ……これでよくわかります。
私は若い時代の数年間、服飾雑貨の輸入業務に従事していました。その当時、文書作成はすべて英文タイプで作成しました。英語に違和感はありません。というより、どちらかといえば親しみがあります。
それでもやっぱり……、日本語の方がわかりやすい!