毎日新聞(大阪)4月8日朝刊の投稿欄「みんなの広場」から一文を転載いたします。投稿した人は、大阪府の匿名ヘルパー(62)さんです。
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60歳を機に転職し、介護現場で働いています。先月11日の本欄へのご理解ある投稿「介護現場 時短による負担減必要」に、お礼を申し上げます。
介護の厳しさは、深刻な人手不足にあります。どの事業所も、ぎりぎりのスタッフでがんばっていますが、経営は赤字です。
食事時の休憩も、介助に就いている同僚を思い、20分から30分で済ませます。若いスタッフは特に誠心誠意、尽くしているので、私には、あまりに過酷だという思いが強く、胸が痛みます。
スタッフのよりどころは、利用者の方の症状回復であり、喜びと感謝の言葉をいただくことです。しかし、心ない利用者の方やご家族の過度の要求、虚偽の申告や訴えに混乱することもあります。
厳しい労働環境や介護保険制度の問題点が解消されない限り、介護現場には希望がないように思えます。