店舗に飛び込む車の事故が絶えません。きょう(4月19日)も岐阜県でドラッグストアに飛び込んだ事故のニュースをテレビで見ました。運転していたのは四十代の女性です。駐車場ビルの壁を破って下に落ちた事故があったことも覚えています。
原因はいずれも、アクセルペダルとブレーキペダルの踏みまちがいです。
これはオートマチックミッションなのでしょう。マニュアルなら、スピードが落ちている状態で、クラッチ操作なしにアクセルを勢いよく踏むと、ガタガタと車が振動して停車する確率が高い。
私は、乗りなれない車を運転するときは、運転席に座ってからアクセルとペダルを何度か踏んでみて足の感覚を確かめます。車によって両ペダルの位置や間隔が異なるので、足に感触を覚えさせるわけです。
私はまた、ブレーキを踏んで、次にアクセルを踏むために足先をペダルに乗せようとして、アクセルペダルの右腹に当たった経験が何度かあります。足先がペダルの下側に入ってひっかかり、大いに焦ったこともあります。足先がもたついている間にも、車は走っています。ブレーキが踏めないので、そのわずかな何秒かの時間、焦りました。車が動かないのは不便だが、止まらないのは怖い。
思うように止まってくれないと、これも怖い。ずっと昔、就職したてのころ、勤務先の車で東京の都心を走っているとき、ブレーキがほとんどきかなくなりました。その時代はまだ、マニュアルミッションでした。シフトとクラッチペダルを使ってスピード調節をしながら、左手元のパーキングブレーキの引き具合を上げたり下げたり調節をして、会社に帰りました。
マニュアルミッションなら、1速・2速のエンジンブレーキが強力で、これを操作するだけでもブレーキ変わりになります。オートチックならそうはいきません。パーキングブレーキが足踏み式なら、私が経験したようなブレーキ故障の代替に使えません。
「安全」ということは、「人は誰でも失敗するもの」ということを前提に考える必要があります。踏みまちがいによる事故がくり返して発生してきたということは、自動車の構造上の欠陥です。
オートマチックになって便利になるのはいいのですが、それによって新たな種類の交通事故が増えるなら、メーカーはそれを改良する努力をしなければなりません。運転者個人の注意責任に任せて放置するなら、監督官庁もメーカーも無責任に過ぎるのではないでしょうか。