お昼のごはんを食べていた、さきほどのできことです。1月19日、お昼のテレビ番組「ひるおび!」を見ていました。
小沢民主党幹事長の若いときからのエピソードをアナウンサーが紹介し始めました。ワイドショースタイルでテンション高めの勢いです。
田中元首相のところで若き日の小沢さんが書生をしていました。田中首相はことのほか彼の将来を見込んでいたそうです。そのエピソードとして、元首相は娘の田中真紀子さんとの結婚を望んでいたとアナウンサーが話しました。明るく勢いのよい調子で話しました。コメンテーターから「へぇーっ!」と声があがりました。
「これは初耳や、そんなことがあったんかぁ」と私は思い、テレビの向こうの出演者と同じように「へぇーっ」と、あいなりました。芸能情報番組のノリです。
話がつづく。「ところが小沢幹事長は、私にはつきあっている人がいますといったんだそうです」。
私はまた「へぇーっ」。と、そのとき……。10秒だったか、20秒だったか、どれほどだったか時間の長さに自信はありませんがごく短時間、アナウンサーが話を中断しました。聞き取れませんが、私にもひそひそと人声が聞こえます。その時間の空白に司会者が小さな声でアドリブを入れました。「なにやってんの」。
ほんのわずかの放送中断時間でした。そしてなにごともなかったように番組の話が続けられました。ところがところが、コメンテーターやアナウンサーの声のトーンから弾んだところがなくなり、目だって低調になりました。映像がスタジオにもどってみると、一様に出演者の表情がこわばっています。ころっと雰囲気が変わりました。使用前、使用後のコマーシャルを思い起こす情景です。
中断したときにそれなりの社会的に地位のある人物からクレームがあったのだと、私は思いました。それと同時に、明らかに声の調子が落ち、表情がこわばって緊張の表情を見せた出演者全員にたいして、情けない思いをしました。テレビで威勢よく社会批判をしている人たちが、いとも簡単腰砕け……。