いくつもの困難を乗り越えて帰還した惑星探査機「はやぶさ」と宇宙航空開発研究機構のはやぶさプロジェクトチームのドラマに感動しています。
<はやぶさ7年ぶりに帰還 太陽5周60億キロの旅>
共同通信 2010-06-14
【ウーメラ(オーストラリア)共同】 2003年5月に打ち上げられ、小惑星「イトカワ」への着陸を果たした宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ」が13日夜、オーストラリア南部ウーメラ付近の砂漠を目がけて大気圏に突入、7年ぶりに地球に帰還した。
宇宙機構はイトカワの砂が入っている可能性があるカプセルが日本時間同日午後11時すぎに着地したことを電波で確認。ヘリコプターから地上に落ちているカプセルを目視で確認した。
月以外の天体との往復は世界初の快挙。トラブル続きで当初予定から3年遅れの帰還となり、太陽の周りを約5周する、約60億キロの長旅となった。探査機本体は途中で燃え尽きたとみられる。
はやぶさは、将来の本格的な宇宙探査に向けた技術の実証機。先進的なイオンエンジンや、自律ロボットとしての小惑星への接近、着陸、岩石採取、地球への飛行、回収といったさまざまな技術を試した。
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――しかしながら、後継機「はやぶさ2」の当初概算要求17億円が、政権交代後の査定で3000万円に減額されていました。ゼロ査定に等しい。所管大臣・副大臣・政務官の予算判別能力に疑いが残ります。
そういえば同様に子どものための国の学校耐震化予算は、全国の要望をまとめた5000棟の計画が2200棟に減額査定されています。見えるところの子ども手当、見えないところの科学技術予算・学校耐震化予算、です。
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<はやぶさ後継機の17億円概算要求を3000万円に縮小、製造着手できず>
YOMIURI ONLINE 読売新聞大阪 2010-06-14
宇宙航空研究開発機構は後継機「はやぶさ2」の計画を進めている。文部科学省は昨夏、今年度予算の概算要求に17億円を盛り込んだが、政権交代を受けた予算削減で3000万円に縮小。製造に着手できなかった。
はやぶさ2は、目標とする小惑星と地球の位置関係などから、2014~15年に打ち上げないと、次の機会は10年以上も先になる。来年度には製造に着手しないと間に合わない。川端文部科学相は11日、「(はやぶさの実績が)次につながるようにしたい」と述べた。
ただ、財政状況は厳しい。宇宙開発の今年度予算は3390億円で前年度比2・6%減。今後も大幅増は見込めない。はやぶさの快挙をどう生かすのか、注目される。