川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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地方生活からずれていくトーキョー移民型国会議員

2010-12-14 16:01:46 | Weblog


「十年一昔」ということばがあります。一昔二昔前のことです。そのころ奈良県から出ていた或る有力な国会議員には、出身地に屋敷といっていいほどの大きな家がありました。

でも、国会議員になってからはそこに住んでいません。東京に住んでいました。センセイ本人が陳情受付をするのはトーキョー事務所です。選挙区の事務所で陳情受付するのは国元専任の秘書です。それで地元選挙区に帰ることを「お国入り」というのでしょう。これはどの国会議員でも似たりよったりのことと思います。国会もあれば中央官庁との折衝もあることなので、多忙であることは十分に理解できます。やむをえないとはいえ、地元選挙区の生活事情とかけ離れた東京生活をつづけています。

これは、アメリカの大都市に単身赴任した駐在員と似ています。いつのまにか派遣地のアメリカ生活にどっぷりつかってしまって、生活様式まで変わってきます。もう死語になっていますが、「アメリカナイズ」ということばがありました。2選、3選を超える国会議員はこれと同じでトーキョーナイズされて、日常生活にあくせくしている地元選挙民の生活感覚からずれていきます。

わたしの住んでいる地域から出ていた、くだんの国会議員が引退するに当たって息子に地盤をゆずりました。その息子は最優秀の学歴・職歴のある人でしたが、子どものときか東京暮らしでした。一家で東京に移住していて、東京の学校、東京の大学、東京の職歴を経て、住んではいない育ってもいない、奈良県選出の国会議員になりました。

アメリカの大都市に移住して成功した一家がそのままアメリカの大都市生活をエンジョイして、選挙の季節限定の地方在住日本人を呼号するようなものです。こういうトーキョー移民型国会議員は奈良県ではほかにもおりました。

移民型ほどでないにしても、単身赴任型というのは、ほとんど全部の国会議員にあてはまるでしょう。いずれも、、東京都心が暮らしや仕事の場です。地元選挙区ではあちこち頭を下げなければいけない場面もあるでしょう。しかし東京では、どこへ行っても何をするにしても国会議員としての礼遇を受けます。公務で行く先々では、常に誰かが下準備をして出迎え、誰かが案内をします。頭ではわかっていても(まったくわからなくなる人もいますが)、生活感覚が地元選挙民の暮らしからかけ離れたものとなっていきます。

2選3選と経歴が古くなるほど地方生活とかけ離れていく国会議員のトーキョー首都感覚のおかげで、奈良県の片隅で暮らしている私なんかを苦しめる政治がつづきます。小泉政権下で暮らしはきつくなりました。民主党政権下でも、税金をはじめとする公的負担が増えそうな勢いが、日増しに強くなっています。


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