1月16日月曜日夜、TBSテレビ系列の「好きか嫌い言う時間 外国人と超々激論SP」という番組のうち、「カジノ」を取り上げた部分を見ました。
テレビ番組ですから、スタジオに招かれた出演者には賛成の人もいれば反対の人もいます。
カジノ誘致は安倍政権の成長経済政策の目玉の一つです。だから、賛否両論であっても、どちらかといえば賛成に傾くよう、事前に番組の流れをセットしてあるだろうと思っていました。
発言が始まる前に、世界地図の上にカジノ所在都市をピンポイント図示して、カジノが世界中にこんなにあってどの国でもやっている常識だという説明がありました。これは反対をやわらげるための予想通りの展開です。
ところが、予想に反して、スタジオ内発言者の中ではカジノ反対が優勢でした。反対発言の中では特に、カナダ人女性の熱意こもる反対が記憶に残りました。
その女性は、カナダのカジノを誘致した町に住んでいました。彼女は力をこめて大要、次のようなことを話しました。それはカジノ町の住人であったカナダ女性から日本人への忠告です。
カジノができてから、町に男性相手の女性たちが行き交いするようになり、町の中で目立つようになって、それが町のあたりまえの風景になった。私たちが買い物に行っていた町だけど、それが嫌で、やがて買い物に行く気がしなくなった。カジノが来たら絶対にそうなるからダメです。
このことは、当ブログ「カジノは賭博場 カジノ特区の隣接地域に必ず悪影響が出ます」に、下のように書いたことの裏付けになる証言でした。
しかし、「賭博で金儲け」というのがカジノの本質。カジノ特区に隣接する地域には必ず、悪影響が出てくるでしょう。カジノ特区は歓楽の街です。特区の外の隣接地域に性風俗店なんかが進出して猥雑な街になって、ふつうの人にとって楽しみづらく住みづらい地域になっていくことだって考えられます。
司会は坂上忍。カジノ賛成の若い外国人女性2人に何回か発言を振りましたが、スタジオ内の発言は明らかにカジノ反対が優勢でした。
こういう流れの中で、話題のテーマが次に移りました。話題のテーマは「日本のためになるならカジノはどこがいいか」。東京、大阪、長崎、北海道その他のカジノ特区候補地の中でどこが良いと思うか、と司会・坂上忍が問いかけました。
カジノ反対優勢のスタジオ内発言の中で、「日本のためになるカジノ」はどこが良いかという露骨な番組展開にはムリがあります。しかし、これで、この番組の本意が「カジノ展開」を勧めるものであることが明らかになりました。
テレビ放送は今や、ほとんどの番組で安倍政権に白旗を上げています。こういう娯楽番組の中で、カジノができる、街が華やぐ、と人々に刷り込んでいくのでしょう。テレビには、人々が心から楽しんでいるうちに一つの方向性をくり返して刷り込んでいく性質があることを、心にとどめておきたいですね。テレビコマーシャルと同じ手法が、娯楽番組にも通じています。