今夜、息子から電話がありました。
わたし 「ユーチューブで見たよ。音楽がええなあ、ジャズやなあ」
息子 「うん、ミッキーがタップダンスするところはビギン・ザ・ビギンゆう曲やねん」
わたし 「おおっ、知ってる知ってる。死んだおばあちゃんがレコード買うてきてなあ。イギリスのテッド・ヒース楽団や。おばあちゃんといっしょによう聴いた」 ……これ、わたし中学生のときのお話です。おばあちゃんというのは、わたしの母のこと。
ユーチューブで見たのは、ディズニーシーの7月新作「ステップ・トゥ・シャイン」。息子はTDLの社員で、これの制作に関わっています。音楽の編曲や演奏を手がけているのはすべて、それぞれの分野でアメリカを代表するメンバーだと言います。
■音楽的な素養ゼロの情けなさ
「ステップ・トゥ・シャイン」の音楽に、ディズニーシーで人気の「ビッグバンド・ビート」の味わいを見つけたところまでは良かった。しかし「ビギン・ザ・ビギン」はイントロのメロディーを口ずさめるほどに知っているのに、ミッキーのタップダンス・シーンで「ビギン・ザ・ビギン」が流れていることに気づかなかった。
もう一度、イヤホンで注意して聴きました。確かに、タップダンス曲は「ビギン・ザ・ビギン」です。スイングジャズはもともと軽快で楽しいのですが、今風にぐんと、アップテンポになっています。そのうえ、ミッキーほかのセリフや動きにマッチングした編曲がされています。
動画を見流して(聞き流して)、ダンスやせりふに気をとられて、タップダンスの曲が耳に入って「ええなあ」と思っていながら、「ビギン・ザ・ビギン」だと、キャッチできていなかった。なんで? そのていどのスイングファンなんだと、自分で情けなく思いました。わたしは音楽的な素養がゼロなんです。
■母といっしょに聴いたビッグバンド(LP盤)
母が洋楽好きでした。演歌は聴きも歌いもしなかった。だから、わたしもそのように育ちました。わたしが中学生のころ、母は自分の好きな洋楽のLPを時々買ってきて、応接間でコーヒーを飲みながら、親子で聴きました。あのころは、回転するLP盤を傷つけないようにレコード針をそっと降ろすのも、レコードを聴く味わいのうちでした。
グレンミラーのファンになったのは、母といっしょに聴いたLP盤レコードがきっかけです。グレンミラーだけでなく、母はほかのビッグバンドのLPも買ってきました。映画音楽のLPも買ってきました。いろんなLPの1枚に英国のテッド・ヒース楽団というビッグバンドがあって、「ビギン・ザ・ビギン」はその中に入っていました。なぜだか、はっきりと記憶に残っています。
■ラジオ京都と十字屋楽器店
ジャズを聴いていた中学生のころの思い出が広がります。中学生のころに、ラジオ京都で「ジャズ講座」のシリーズがあって、ウェスト・コースト・ジャズという言葉を覚えました。「ジーン・クルーパー」なんていう名前も、知り初めはラジオ京都でした。
京都・三条の十字屋楽器店に行って、映画音楽の楽譜と歌詞を載せている本を買いました。歌詞はすべて外国語でした。ハーモニカとレコードでメロディーを覚えて、辞書を引けばわかる英語の歌を一人で歌いました。サイン風に大きくGene Krupaと文字入れしたドラムセットが、十字屋楽器店のショーウィンドウにあったのを覚えています。
<クリックしてご覧ください>
○ ステラ・ルー登場の「ステップ・トゥ・シャイン」スニーク
○ 英国テッド・ヒース楽団「ビギン・ザ・ビギン」
○ あの感傷的で美しいスタンダードソングたち…「ビギン・ザ・ビギン」