川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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わたしの政治家判別メーター ①即効性のある消費税廃止・累進課税復旧強化 ②将来世代のために原発廃止 ③戦争から距離を置く外交

2022-07-07 08:08:02 | Weblog



       2022-07-08 18:09
    追悼。安倍元首相が暴漢の銃撃により遊説先で急逝されました。暴挙に怒りを覚える
    とともに社会のきしみを感じます。今から奈良県立医大病院の記者会見が始まります。


 政治家も政党も、それぞれの政治力を拡大していくための主張・利害を持っています。選挙の当落結果は政治家の死命を制します。選挙後の獲得議席数は政党政治力を左右します。ですから、選挙時の候補者や政党代表者が有権者に訴えることは多種多様多方面で、そのすべてを理解するのはむつかしい。

 わたしは安倍元首相のスピーチを就任からしばらくの間、語彙数で分析したことがあります。安保・経済・国民生活などと分野ごとにグループ分けをして、そのグループごとの語彙数を調べました。それから思ったことは、やはり人の思いは隠せない、ということでした。

 安倍元首相はあふれるほどのおしゃべりです。ことばが次々に口から出て空間に消えていきます。わたしの印象では彼の口は、勢いよく漏水する蛇口のイメージです。しかし本音はわかりやすい。

 安倍元首相の言動を範例にしてわたしは、政治家・政党を選ぶポイントを単純化しました。どの人が、どの政党が、一人の人間を今生きている生活者として大切に思って政治をしてくれるのか、わたしの判別簡易メーターです。

 安倍元首相の関心の第一は、安保。第二は、経済。経済は軍事強国するために必要なもの。軍事強国化政策を実行するには国民の支持が要る。経済は軍事費と国民支持を得るための道具です。第三は、付け足しで、その他いろいろです。

 もう一つ付け加えるなら、安倍元首相の経済政策とは株式市場対策にすぎません。彼は高株価維持に執念を示しました。小金持ちや富裕層には実利があって、これで喜びます。高株価はマスコミもじゃんじゃん報道しますから、株の実利と縁のない国民の気持ちもなにやら明るくなってきます。 

 しかしこれは実質のない人気取り政策にすぎず、彼の経済政策に効果はなかった。安倍元首相の治世に国の資金を景気よく使って財政赤字を拡大させたにもかかわらず、国民一般が窮乏化したことが証明しています。

 最もわかりやすかった安倍元首相の治世下で見てきた例にならえば、ことあるごとに緊急事態法制定の声を上げる人、ことあるごとにすぐに軍事力強化の声を上げる人、ことあるごとに原発再稼働の声を上げる人、消費税や利子課税や累進課税などの税制改革に触れない人や否定する人‥‥こういうパターンの人は、国民生活のことをまじめに考えていません。教育や将来世代のためにということばも多くの政治家・政党の常套文句なのですが、それだけではことばの真実度は大いに疑わしい。


1,即効性のある消費税廃止・累進課税復旧強化 

 経済についていえば、リーマンショック以後、新自由主義経済(グロ―バル化)になんらかの制約を加えて改良しなければ自由主義社会にひびが広がる、という説が欧米に広がってきて定説になりつつあります。米国ではずっと早くに強欲資本主義と名づけた人もいました。

 要するに、日本に限らず経済先進国の格差社会化が深まりつつあって、今の新自由主義と呼ばれる資本主義から脱皮して、資本主義の改良政策が急がれるのです。格差社会の深まりが自由主義社会の安定性という将来に不安を生んでいます。

 この深刻化する格差社会を止める最も簡単で有効で主要な手段の一つが税制改革です。消費税廃止(経過措置として消費税率下げ)・所得税法人税利子税の累進税率上げです。

 なんだかんだと理屈をつけて、政権・官僚・経済専門家・政党が、消費税廃止論者・累進税率強化論者を見下しています。しかし、これこそ平時国家体制の本筋です。消費税廃止・累進課税強化の攻防は、国民のうちの多数派生活者の幸せを真剣に考えているかどうかの試験紙になります。

 最後に、日本維新の会が「ベーシックインカム」という口当たりの良いことを言い出しました。ベーシックインカムは、国民一人一人に一定金額を無条件に支給する制度です。今民間で出てきている解説では、一定金額というのは月額6万円くらい。今のベーシック論者が想定している金額はこんなものでしょう。これでは現行の 社会保障制度の方がはるかに安心できます。

 日本維新の会がベーシックインカムを言い出した動機は、「社会保障関連の国費支出削減」目的なので、口当たりの良い、釣り文句の選挙スローガンに過ぎません。

 誰であれ、どの政党であれ、ベーシックインカムというだけでは、今の社会保障制度を活用するほうがまし、ということにもなります。真剣な取り組みであるならば、もっと詳しい制度説明があったうえで慎重な検討が必要になります。


2.将来世代のために原発廃止

 政治課題の年金と高齢者福祉を絞るとき、政府側に立つ人から必ず持ち出されるのが「将来世代にツケを残さないため」という口実です。

 7月10日投票日の参議院選挙では、各党、各候補者ともに、子どもの教育について熱心に語っています。良いことです。実行されることを期待します。

 若者の将来にツケを残さない、子どもの将来のために良いことをしたい、という命題に反対する人はいません。

 一方、原発から出る核ごみの場合、最も危険な高レベル廃棄物についての最終処分場は、世界で一つもありません。ただ一つ完成が近いのはフィンランドのオンカロで、これは10万年保管を前提に、地下430メートルの18億年前の地層に建設中です。日本は全国どこでも震度6以上の地震が起きる可能性があると言われています。日本では最終処分地の受け入れ先がまだありません。

 放射能の無害化技術の開発は現状の科学では不可能とみなされています。ですから、核廃棄物のこれ以上の増加を防ぐために、一日も早い原発廃止が必要なのです。

 こういうわけで、子どもや若者の将来のためにということと、原発再稼働という政策方針は完全に相反し、矛盾しています。

 チャンスを見つけては 原発再稼働を言う政治家や政党の場合、子どもの将来のためにと言ったところで、それは一時の人気取りや票集めをするための嘘になります。

 電気が足りないから原発再稼働という理屈がまかり通っています。

 2011年3月福島第一原発爆発の年の夏、全国の原発全停止のときでも停電せずに済みました。日本の発電量そのものが足りないわけではありません。送電システムの問題であり、これは政府や電力会社の怠慢の問題です。

 電気が足りないとはわたしは思いませんが、足りなければ原発以外の方策を真剣に実行していけばいいだけのことです。小水力発電推進の機運が一時期ありましたが、近年そのニュースを聞いていません。発電源については、小規模な電源であってもこまめに集めていく、かき集めるような気持で多種類の発電源をこまめに集めていくことが必要とされています。

 全国各地の小地域単位で省電力発電ネットワークを作ればいい。それでは電力不足だという大都市域は、大都市域向けの別の発電送電方策を考えればいい。 

 原発なしの前提で取り組めば十分に方策はあるでしょう。難しいことではないと思っています。区域ごとに分散割りした計画停電だって可能です。30分単位の計画停電を分散区割りの持ち回りにして、常時くり返していけば可能でしょう。不自由のない計画停電は可能だと思います。


3.戦争から距離を置く

 1974年1月に始まる南シナ海での強引な島嶼奪取、その後の軍事基地造成建設を見てからというもの、中国の何十年にもわたる忍耐強い進出計画に舌を巻く思いで警戒してきました。そして、こんどのウクライナ戦争を見てからは、「侵略しない・侵略させない」という日本の対外意思表示も公開しなければいけないと思うようになりました。

 ロシアが一方的に仕掛けたウクライナ戦争に衝撃を受けました。ロシアを除くヨーロッパの大陸諸国・島嶼国、中国を除くアジアの大陸国・島嶼国の人々も同様に衝撃を受けたことと思います。どこの国も軍備増強に走ると思います。

 しかし当然、想定相手国もこちらに応じた軍備増強を行います。その結果が第2次世界大戦でありました。

 日本が自省しなければならないことは、前大戦のアジアでは日本が何年にもわたって中国侵略を進めたことが戦争の原因になっていることです。中国全土に軍を進めたことに対抗するために時の中国が欧米に助けを求め、欧米がそれに応じて対日本戦争に参戦したという流れです。

 自ら戦争を呼び込んだのが前の対中国戦争、対米国戦争の実情で、中国全域・東南アジア全域・太平洋で戦争を仕掛けたのは日本だという史実です。

 日本軍は補給が貧弱でしたから、現地の戦域で食品を軍票で調達し、略奪と同じ結果になりました。戦況が不利に傾いてからは多くの場合、さらに略奪するほかありません(当時の軍隊用語で「徴発」)。そして軍隊が進めば副産物として、無用な殺傷・婦女暴行も発生します。

 日本軍と米軍が激戦を交えたところの住民や居住環境は、今見ているウクライナの戦場と同じことです。戦争のために巻き添え死傷する住民がいたでしょう。戦争のために住まいや仕事場や農地を荒らされたり壊されたりしたでしょう。当時のアジアの戦地住民は、日本からやってきて戦争を持ち込んだ日本軍を快く思っていなかったでしょう。

 いま戦争現地のウクライナ人がニュースで、ウクライナの歴史が100年たってもロシアの侵略を忘れない、というようなことを言っていました。日本はアジアでこのロシアの立場なのだろうと、謙虚にアジアの国々・人々と接しなければなりません。アジアの各国にそれぞれの民情があり、それぞれの伝統や文化・思想があることを尊重しなければなりません。上から目線にならないことを常に心がけて、アジア各国の人々と融和しなければなりません。

 故国ロシアが始めたウクライナ侵略戦争に反対で、心いため肩身せまい思いをしている在日ロシアの人々をニュースで知りました。プーチン大統領やロシア政府報道官や軍高官などばかりニュースで見れば、意識してやさしいロシア人を思い起こそうと思っています。

 わたしの知り合いがそのまた知り合いから聞いたというエピソードがあります。中国超大企業の日本法人の幹部社員である人が、人事異動で帰国命令が出ても帰らないと言っていたそうです。子どもがまだ小学校であり、日本の学校がいい、日本は住みやすい、治安もいい、と言っていたという伝聞エピソードです。

 その中国人自身は超エリートなんだろうと想像しますが、本国の厳しい競争社会や統制社会が嫌なんだろうと思いました。中国本国で一生懸命に勉強してエリートビジネスマンになって日本に来た人が、自分の本国より日本にいるほうが良いと言う。

 習近平さんの顔をニュースで見たあとは、そんな中国人もいる、香港から台湾・日本・英米・西欧に移住した香港人もいる、中国本国にはそんな人も山ほどいるのだろうと、やさしい中国人のことを思い起こそう。

 侵略せず、侵略させず。軍備強化一辺倒に寄りかからず、米軍頼みして虎の威を借りずに、中国人のやさしい顔を思い、アジア人のやさしい顔を思って、わたしは政治家・政党・政府にお願いします。戦争を遠ざける政治=戦争から距離を置く外交をお願いします。

 選挙では、こんな1票が生きると思えるところに投じようではありませんか。

 困難な国際情勢ですが、戦争に近づく政治はなんとしても避けたい。戦争になれば、わたしたちみんなが地獄の苦しみ、地獄の不幸に突き落とされるのです。

 ウクライナ国民がニュースで話していました。ベラルーシに演習目的のロシア軍が集結していても、昨年末から新年にかけてロシア政府の険悪な談話がつづいていても、本当に攻め込んで来るとは思わなかった、と。――そんなことがないように、慎重な慎重な立ち回りを政府や政治家・政党に期待します。

 何か事が起きるとすぐに、なにをっと向きになって勇ましくなる人が近年は多いように思います。むきになって勇ましくなるよりも、大声で歌を歌って楽しんでください。中国人のビジネスマンが日本の暮らしをほめていたように、勇ましくならずに日本の平和な暮らしを味わってください。



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