川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

国葬世論調査結果と二階俊博氏発言について

2022-09-17 17:55:11 | Weblog


 TBSのCS放送で9月16日、二階俊博自民党元幹事長のインタビュー番組がありました。この中で、「安部元首相国葬」についての二階氏発言に反発の声が上がっています。このことについて所感を書きます。


 人づてでなく正確な発言を参照できるよう、二階氏発言を収録したインタビュー番組をユーチューブから文字化して、この記事の後ろの方に掲載しました。必要の折があれば一瞥してくださるようお願いいたします。
 

 まず「国葬賛否を問う」世論調査の結果を見ておきます。

 
             (国葬賛成) (国葬反対) (調査実施日)
    朝日新聞9月調査   38%    56%   9月10日~11日実施
    毎日新聞8月調査   30%    53%   8月21日~22日実施
    NHK 9月調査   32%    57%   9月09日~11日実施  
 NNN・読売新聞9月調査    38%      56%      9月02日~04日実施  

   ※朝日新聞と読売新聞のデータが同じ数字ですが、まちがいではありません。



二階氏発言1
「まあ淡々とやることです。やり終わったら、『反対』といった体質の人たちもね、必ず良かったなと思うはず、日本人なら 


 「やり終わったら …… 必ず良かったなと思うはず、日本人なら  
 終わってしまえば、確執は水に流せ。忘れてしまえ。それが日本人だ。

 これは、政治に合理的でないことがあっても文句を言うな(国葬に文句を言うな)、いつまでもしつこく言うやつは、日本人じゃないぞ、ということを言っています。


 マスコミ4社の最近の世論調査の結果は、「国葬反対」が53%~57%です。
 世論調査で半数を超える国葬反対日本人を『日本人なら』と責める二階さんこそ、ほんまもんの日本人ですか?  



二階氏発言2
「そういうのが亡くなったんですからね、みんなやっぱり黙って手を合わせてあげたらいいんだってね。」


 ここは同意。そうなんですよ。安倍晋三元首相は、1954.9.21. 生 ─ 2022.7.8.没で、死没は満67歳です。死ぬにはまだ早い。そのうえ不慮の横死です。


 私は安部氏の政治には一貫して批判してきました。その私でさえ、なんとしたことか・かわいそうに、という想いに囚われて、安部氏が犠牲者になったその日一日を過ごしました。それは列島に安部ショックが走った一日でした。


 あまりにも突然のできごとで、しかも殺人でしたから、数えきれない無数の人々が私が味わったような想いに沈んだことでしょう。


 誰にも言われなくったって、無数の人々がこの悲劇に対して黙とうし、手を合わせました。あちこちの街角に翌日も翌々日も、その次の日もまたその次の日も重ねられゆく花花は無数の人々が悼んでいる心の象徴でした。しかし二階さんには、人々のあたりまえの心根が見えない。



二階発言3
国葬がどうだこうだなんてね、こんな時に議論すべきでないんだよ。議論があったって控えるべきだよ。


 7月12日、陸上自衛隊特別儀仗隊・中央音楽隊が派遣された安部晋三家族葬が大々的に行われました。葬儀は悲しみを共有する弔問客や増上寺周辺で立ち見する人たちで溢れていました。その模様は各局のテレビニュースやワイドショーで粛々と放送されました。


 参院選挙戦さ中に殺された悲劇の人の葬儀にふさわしい心持ちを共有する形で、全国の人々がテレビ各局の報道映像を見守りました。人々は報道映像を見ることによって葬儀に参加していたのです。まさに日本中が、満67歳という平均寿命にはまだ遠い死を悼んだのでした。

 そして、白昼衆人環視の中の元首相殺害という悲劇に遭遇して動揺した人々の心持ちは、盛大に執行された安部晋三家族葬が終わったことで一区切りがついて、ほっとしたことでした。 


 人々の安部元首相を悼む自然な心持ちは、特別儀仗隊まで派遣されて大々的に執行された安部晋三家族葬が終わったことで、一段落したのです。


 ですから、二階さんが国民相手に「こんな時に」 と言い聞かせるのは、お門違いというものです。二階氏が言い聞かせるべき相手は、「こんな時に」国葬議論を呼び起こした岸田首相なのです。 


 さらに、現在の「国葬」は、内閣がやると決めたものは正当な国の儀式であるといったていどのいい加減なものですから、議論はなおやかましいものになって当然です。この責めがあるとすれば、それは政治家が負うべきものです。


 安部元首相の国葬とは、国家による政治的行事であり政治的儀式です。 制度的にあいまいな国葬、政治上の利害得失を計ってこその国葬です。 
 国民・人々の心持とはまったく区別して考えなければなりません。
div>


  2022.09.16.
 
 国会トークフロントライン(TBSのCS番組)
  政治担当解説委員・元「時事放談プロデューサー」
  石塚博久

 
〘対談する人〙 元自民党幹事長 二階俊博



〇 石塚
  これがその、これから岸田政権が取り組んでいかなきゃいけない日程がこち
 らです(※日程パネルを掲示)。まあ、「黄金の3年」といわれたのがウソの
  ような、もうなんか山続きというか。


  ま、ちょっと振り返ると、7月8日に安倍元総理が銃撃され、内閣改造は前倒
 し8月10日で、沖縄は負けましたと(※沖縄県知事選9月11日)。
  ここですよね(※パネルの9月27日を指さして)、国葬。

  この混乱がまあ、その、支持率にも関わってきている大きな原因の一つだと
 いうことだと思うんですけど、心静かに見送りたいのですがね、
反対論も広が
 っちゃっていると。直近が38%賛成で、反対が56%にもなってると、国葬に
 関して。
どうご覧になりますんでしょうか。

〇 二階
   「まあ淡々とやることです。やり終わったら、『反対』といった体質の人た
  ちも必ず良かったなと思うはず、
日本人なら

〇 石塚
  これやっぱりこの、振り返るに、まあ根回し問題ですよね。野党の根回し
 とか、国会での議論問題。7月8日に亡くなって、で、それ、14日もういきな
 り会見で言っちゃったと、野党へのね。

〇 二階
  まあしかしね、国葬にしましょうよと上がってくる、みんなの声がね、上
 がってくるようなことを。ま、そこがね、あのう、ある意味ではずるくない
 んですよ。正直なんだよね。だけどそこは、みんなの声が上がってくるのを
 待ってやるっていうね、そういうテクニックがあっても良かったんだけど、
 まあ、いいじゃないですか、ね。

〇 石塚
  そこが政治技術なんですよね。

〇 二階
   それが、長年務めてたら、そういうのが亡くなったんですからね、みんな
 やっぱり黙って手を合わせてあげたらいいんだってね。国葬がどうだこうだ
 なんてね、こんな時に議論すべきでないんだよ。議論があったって控えるべ
  きだよ。


〇 石塚
  実際、そうなんですよね。そういう議論になちゃったっていうところが …
 … うーん、みんなが惜しまれるんですよね。で、まあ実際、あと立憲民主党
 ですか、なんか質問書を出して、回答が不十分だと。で、ええそれで ……

〇 二階
  (さえぎって)不十分だという回答は今度の選挙の時に国民がくれるよ。

〇 石塚
  なるほど、選挙結果に出るだろうと。まあだからこういうその、ま、野党
 が執行部、泉代表以下執行部が欠席と。これをどう考えますですか。

〇 二階
   宣言する人は後々長く反省するだろうからなあ …まあいいじゃないですか。
   なるほどこんなもの欠席しようがしまいが、国政に関係ないんだから。
 席して存在感を示そうと思うんだけど、世の中に、あんまり賢くないなあと
  いうことを印象づけるだけですよ。選挙で取り戻すのは大変だぞ。


〇 石塚
  なるほど。あとここでもう一度うかがっておくと、費用ですよね。最初、な
 んかその2億5000万だっていう話が、なんか途中から16億6000万、警備費も
 含めるとこうなるんだって …。

  まあ最初は出せないって言ってたのが出てきて、普通の人からみればやっ
 ぱり反対があるから小さく見せようとしたんじゃないかって思われちゃうわ
 けですよね。で、そもそもこの16億ですむのかって議論もあるわけだし、そ
 れはどうご覧になりますか。

〇 二階
  まあ誰が見たって、ちょっと費用がかかりすぎじゃないかっていうこと
 は、それは思うんですよね。

  思うんだけども、国際社会における日本が国葬の際に混乱が生じたとか
 ね、犠牲者が出とかそんなことがあったんじゃ、これ国益としては取り返し
 のつかないことになる。そう思えばね、多少の費用は惜しむことなく、万全
 を期してやり遂げることですよね。

〇 石塚
  そのための警備の費用にたくさんお金をかけるというのは理解されると思
 うんですけど、これで小出しに出すとですね、最初2億5000万で、そのあと
 16億ってなると …。

〇 二階
  それはそうだよね。もっと早くから出せばいいから。かかりすぎること
 は、かかりすぎるよね。

 

    -----------------------------------------------------------


朝日新聞全国世論調査(電話)〔国葬について〕
9月10日、11日実施 ()内は前回8月27日、28日の数字 小数点以下は四捨五入

    ( 賛 成 )( 反対 )(その他・答えない)
 8月  36%   50%    6%      
8月27日~28日実施
 9月  38%   56%    6%      
9月10日~11日実施



毎日新聞 世論調査 8月21日~22日実施(携帯536件・固定429件の有効回答)  
           前回は、7月16日~17日実施

    ( 賛 成 )  ( 反対 ) (どちらとも言えない)
 7月   36%   48%    15%      7月16日~17日実施
 8月   30%   53%    17%      8月21日~22日実施



NHK世論調査
  ※「評価する」を「賛成」に、「評価しない」を「反対」に、書き換えました。

   ( 賛 成 ) ( 反対 )  (わからない・無回答)
 8月    36%   50%     14%     8月05日~07日実施
 9月    32%   57%     11%     9月09日~11日実施



NNN・読売新聞 全国世論調査
  ※「評価する」を「賛成」に、「評価しない」を「反対」に、書き換えました。
    
    ( 賛 成 )( 反対 ) (答えない)
 8月   49%   46%     5%  
 8月10日~11日実施
 9月   38%   56%     6%   9月02日~04日実施


コメント