川本ちょっとメモ

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新聞書評:「砕かれた神」 渡辺清著、岩波現代文庫

2009-04-06 03:39:16 | Weblog


新聞書評の古い切り抜きが出てきました。評者は斉藤貴男(ジャーナリスト)さんです。日付も掲載紙名もわかりません。以下は、その書評の転記です。


先の戦争に限りないロマンを抱かされた元少年兵の終戦後日記「砕かれた神」が改めて、読み継がれなければならない。激戦からの奇跡的な生還を果たした著者が、自らや戦友たちを死に駆り立てた〝現人神〟が自決もせず、「出てこいニミッツ、マッカーサー」の片方と仲良く、まるで従者のように写っている写真を見せつけられた時の思いはいかばかりだったか。

<とにかく偉い人ほど他人にむかって道義の大事を説くが、それがいざ自分のことになると、その不感症ぶりは、まさに白痴にひとしい。(中略) わけても天皇のあり方は、「天皇さえ責任者としての責任をとらせずにすまされるのだから、われわれは何をやっても責任なんてとる必要はない」というようなおそるべき道義のすたれをもたらすのではないか>

慧眼どおりの成り行きを、私たちは今、これでもかとばかり思い知らされている。この国の何もかもは、〝偉い人〟たちの二世、三世の国内権力の私物化と引き換えに、かつての敵国に売り渡されていた。

建築基準法や商法の〝改正〟も一連の法制度改革も、いわゆる構造改革のすべては、九四年以降のアメリカ政府が毎年突きつけてくる「年次改革要望書」の中身そのままだ。これほどの事実が、しかし、実はまったく報じられてこなかった。


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