里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

稲穂は急速に垂れてきたが不稔籾あり

2020年08月17日 | 田んぼ

 イネの穂が出て10日ほど経ちます。
 出穂期は半数の穂が出た時とされており、我が家の今年の出穂期は予想通り8月5、6日でした。昨年と比べると3、4日の遅れですが、これは何の問題もありません。
 気温が高く、日照も多いのでたちまち出揃いました。

そして、ここ2、3日で急速に穂が垂れてきました。受粉も一見順調に見えます。


 ヤマセによる低温に見舞われたのは7月12日からの1週間。この1週間は障害を受ける目安とされる一日の平均気温20℃以下、最低気温が17℃以下の危険な気温に遭遇しました。
 連日低温注意報が発令されたものの、幸いだったのは最低気温12、3℃といった極端な低温にならなかったことと最も危険とされる「減数分裂期」の最盛時からは少し外れた可能性が高いことです。
 ダメージが、ある程度分る時期になりました。障害型冷害で多発する、いわゆる「行灯(あんどん)穂」、中身が空っぽで穂が立ったまま垂れてこないといった状況は回避されたようです。


 この辺りは少し早めに穂が出たところです。穂が垂れるのも少し早いようです。

 穂をとって触ってみると、空っぽの籾は全く手応えを感じませんが、授粉した籾は指で押すと手応えがあります。


 しかし、やはりよく見ると不稔の籾があります。
 空っぽの籾は時間が経つと、このように黒く変色してきます


普通の年でも100%の籾が稔ると言うことはないので、どの程度の不稔籾が出るかはもう少し経たないとはっきりしません。今月末になれば目に見えて分るようになるでしょう。
 こちらは僅かに穂の出るのが遅かった田んぼです。

 穂は大分垂れてきました。


 今年は、現時点で作柄の予想するのは甚だ難しい。しかし、幼穂の生長期にかなりの低温に遭ったことは間違いないので、平年作は難しいだろうと思っています。
 幸いなことに、穂が出た後、連日好天に恵まれています。この辺りの里山では、いくら日中の気温が高くても熱帯夜になるようなことはありません。平場とは夜の気温がはっきりと違います。日照さえあれば昼夜の温度格差のある里山の良さが発揮出来ます。
 あと1ヵ月余り、何があるか分りません。

オニユリを墨彩画で描く

2020年08月16日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙


 オニユリを墨彩画で描きました。
 モチーフは我が家の庭にあるオニユリです。今の時期、オニユリを方々で見ることが出来ます。
 ユリには様々な種類がありますが、よく見かけるユリの中でもオニユリは異彩を放っていると言えるかもしれません。大柄で反り返った花びらと鮮やかな朱色は野性的な感じさえします。花弁には多数の斑点。派手な花とは対照的に葉は小さく数が多い。付け根には多数のムカゴが付いています。
 筆使いは出来るだけ勢いよく一筆で、花は朱色の顔彩を用いて描いてみました。今回は、比較的イメージに近い形で仕上がったようです。

㊗️一力新碁聖誕生!

2020年08月15日 | 暮らし
囲碁の一力遼八段が昨日行われた第45期碁聖戦第3局を制して、3連勝で碁聖のタイトルを獲得しました。
ヘボ碁を少々たしなむ小生としては、これは本県として歴史的なことなのでぜひ記録しておくべきと思いました。
一力新碁聖は本県出身の有望若手棋士ということで注目し、陰ながら声援を送ってきました。
これまでもNHK杯など早碁棋戦ではたびたび優勝しており、タイトル獲得は時間の問題かと思っていましたが、挑戦手合いで何度も跳ね返され、後輩の芝野名人に先を越されるなど内心焦りもあったのではないかと推察していました。
正に念願のタイトル獲得で誠に喜ばしい。おめでとうございます。
インタビューなどを拝見すると、勝負師らしからぬ好青年で人柄も素晴らしい。
タイトルを獲得した碁聖戦は地元紙も主催者の一社で、今日の朝刊にどう報道されるかと興味深々でした。残念ながら我が家では購読していないためコンビニから急遽買ってきました。
何と一面トップです。
「時の人」欄にも。


社会面にも大きく出ていました。


もちろん県内版にも。知事は県表彰を表明しました。


一力新碁聖は当地方紙社主の御曹司ですから、巡り合わせも素晴らしいの一語。今春、早稲田大学を卒業し、記者としても活動するという才能にも敬服です。
これからますます活躍されて、棋聖、名人といったビッグタイトルを獲得してほしいものです。
頑張れ!一力新碁聖。


オニユリに存在感あり

2020年08月15日 | 

 今、方々でオニユリが咲いています。その鮮やかで独特な風貌は、否が応でも目立ちます。
 我が家の庭にもオニユリがあります。


 例年より開花が少し遅いでしょうか。


 ここにはいつも大きな株が1本咲きます。どういうわけかなかなか殖えることがありません。


 こちらにはまだ大きくない株が数本。


 ここには沢山のオニユリがあったのです。それが一夜にしてすっかりなくなりました。イノシシが侵入したものとしか考えられません。この場所だけで大きな荒らしではないので大型のイノシシではなさそうです。さすがに庭まで侵入したのはこの時だけです。
 イノシシは百合根が好物で、近隣の野山に沢山あった山百合はほとんど食い尽くされました。地上部が枯れて人目にはどこにあるか分らない地中深くにある百合根をいとも簡単に探り当てます。オニユリの球根はあまり大きくないと思いますが、嗅ぎつけてやってきたのでしょう。
 このオニユリは辛うじて球根が残されていたものか。


 もう少し復活して欲しいものです。

 しぶとく残っている紫のカンパニュラとのコラボ。


 オニユリは白やピンクで容姿端正な他のユリ類と比べ、相当に異質です。大柄で朱色の花びらには黒の斑点、完全に反り返った姿は名前のとおり赤鬼に見えなくもありません。


 生花にする気分にはならない百合ですが、存在感があります。やはりこの時期なくてはならない花かもしれません。




お盆の習わし

2020年08月14日 | 暮らし

 この辺りでは、お盆は13日から16日まで。今日が墓参りの日になっています。


早朝に墓参りしてきました。昔は竹を切って花竹を作り、沢山お墓に持って行き、自らの墓のみならず付き合いの深いお宅のお墓にも上げたものでした。この風習は負担が大きく、今はもうなくなりました。
 13日の昨日が盆の入り。迎え火を焚いて先祖の霊を迎えるお宅も多いと思いますが、我が家では昔から迎え火を焚く習わしはありません。我が家の菩提寺は浄土真宗本願寺派のお寺さんです。私も世話人を仰せつかって20数年になりますが、少しばかり宗派の習わしについて知るようになったのは近年です。
 浄土真宗は往生即成仏の教えで、故人が霊になるという概念がありません。従って、お盆に先祖の霊が帰るということはなく、お盆だからといって特別なことをする必要はないと言います。改めてご先祖に感謝しつつ阿弥陀如来を拝むと言うことなのでしょう。
 それでも昔は盆棚を設け、飾り付けをしました。今は改めて盆棚は設けませんが、ご飯、お萩、お菓子などのお供え物をします。


 また、13日から盆提灯を飾る風習は続いています。この辺りでは、昔から、親戚間で初盆の折りに盆提灯を送る習わしがあり、20数年前父が亡くなった折り、また母が亡くなった折にもいくつか頂きました。仏壇の前に結構な数の提灯を吊したものです。近年は生活事情も変化しているため、逆の立場では「御提灯代」として現金を送ることにしています。
 今、我が家では立て型の盆提灯を二つ置いています。


 昨日は夕方から明かりをともしました。昔は迎え火と同様に先祖を迎えるためと思っていましたが、浄土真宗においては誤解というものでした。菩提寺のご住職は地域の風習を尊重されて特別なことはおっしゃいません。
 盆中にはご住職が来られお参り下さいます。コロナ禍中ですが、来客は例年と変らないでしょう。