テレビの教養番組で料理学校の先生方が、美味しい料理の作り方と美しい盛り付けを教える料理番組があります。
番組の冒頭で局アナ(放送局のアナウンサーが先生の助手としてつきます)が、材料の分量、レシピを読み上げてます。
画面はレシピを書いたテロップを撮りきりで出すか、出来上がりの料理にスーパーインポーズされるかします。
その日の料理はテレビ局の副読本としてテキストが書店で並んでいます。
テキストには、料理の出来上がり写真が掲載されます。
その写真を番組で契約したYカメラマンが担当していました。
湯気が上がっている出来立ての料理を、クロスを敷いた台に乗せて、マミヤC-330二眼レフで三脚はハスキーを使っていました。
マミヤC-330二眼レフ6×6(ろくろく判)は、レンズ交換が出来て、レンズのフォーカスはジャバラの伸縮で接写に向いたカメラでした。
Yカメラマンは先生方に気に入られて、このテキスト用の写真を集めて、先生方に祝辞を頂いて市内で「料理の写真の個展」を開きました。
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連続ドラマでは、新聞やテレビ番組雑誌用に制作現場のスナップ写真、出演者が揃って並んだ写真がいります。
テレビ開局からの付き合いのカメラマンが担当していました。
スタジオドラマでは、本番前のランスルーかカメラリハーサルで、35ミリカメラで、撮っていました。
新聞や雑誌に載る小さな写真は、これで十分だったのでしょう。
映画の上映館のウィンドウを飾るスチール写真は撮影現場で組み立て暗箱で映画撮影を撮影を中断して撮ります。
職人芸のスチールカメラマンはガラス乾板にニス修正で写っている俳優さんのシワをキレイに直します。
テレビの制作現場の35ミリのスナップ写真と、
映画の修正を施されたスチール写真のどちらが良いのかわかりませんが…。
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テレビに関係なく、商品のカタログ用の写真をテレビのスタジオで撮ることがありました。
テレビのスタジオの照明は使わなくて、大がかりな、モデリングライト付きのアンブレラ・ストロボを大量に持ち込んで、カメラは4×5(しのご)のビューカメラでした。
通称「物撮り」(ぶつどり)です。
商品をいろいろ並び替えて、そのたびにライティングを変えて、
そのたびに、ポラロイドで試し撮りをして、クライアントと相談して時間が掛かっていました。
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先日、結婚式の記録写真を撮っていたデジタルカメラマンは、ワンカットずつ、液晶モニター画面で、確認をしながら仕事をしていました。
シャッターチャンスの善し悪しがすぐにわかります。
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映画の現場でも、フィルムカメラに組み込まれたビデオカメラが同時に回ります。
セットでもロケでも、現場で、フィルムの仕上がりは兎も角、演技の善し悪しはわかります。
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テレビもデジタルカメラもすぐに結果が現場で分かります…。
撮影現場は変わりつつあります…。