満州の列車は1時間走っても
車窓の景色は変わらず
延々畑が続いていました
久しぶりの日本の汽車です
駅を出ると鉄橋を渡って
すぐトンネルに入ります
山間を走っていると田圃が続きます
なんと目まぐるしいなあが
当時の私の印象でした
列車はやがて国鉄浜松駅に到着しました
噂は聞いていたのですが
浜松はすっかり焼け野原で
バラックの家が
建ち並んでいました
浜松は空襲ではなくて
浜松沖合からの艦砲射撃で
焦土と化したのでした
街には高層建築などありませんから
遠くに富士山が小さく見えました
我が家、五人は元魚町の
六畳,四畳半二間のバラックに
落ち着きました