当時のテレビドラマは
生ドラマかノンストップの
録画撮りドラマでしたからドラマ番組は
初めから終わりまでそのスタジオから
離れることができません
… … …
つまりすべてスタジオで
切れ目なく処理しなくてはなりません
劇場演劇がその劇場の舞台から
離れられないのと同じです
映画のようにワンカット、ワンカット
ぶつ切りの芝居をつないでいくのと違って
テレビドラマはスタジオでスタッフを前に
俳優さんたちがつながった芝居を
ぶつけていくのは好きでした
ただ、舞台演劇とちがって
テレビドラマは写されるセットに
妙にリアリティがでて
例えば、舞台では何でもない
書き割りの石垣や手書きのホリゾントが
テレビ画面ではとても通用しないのです
ドラマの作者、脚本家はなるべく
そのような不得手な場面を避けるように
ストーリーを考えていました
… … …
不安な場合はテレビ局のディレクター、
カメラマン、大道具係に
相談を持ちかけてきました