【日本庭園を知って楽しむ】 2-5 平安時代の庭園 今日の日本庭園の原点
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
■■2 日本庭園の歴史
庭園も、変化の歴史を知ることにより、知識に幅が出ることもあり、奥深さを見出すことがあります。
「面白みがない」という思いの方もいらっしゃると思いますが、上述のような理由で、私自身のために記述しておきます。
■ 2-5 平安時代の庭園 今日の日本庭園の原点
既述の通り、日本庭園が庭園らしくなるのは平安時代に入ってからのようです。
平安時代の日本庭園は、浄土式庭園と呼ばれる形式が主流でした。この庭園形式は、仏教の浄土思想に影響を受け、極楽浄土の世界を再現しようとしたものです。主に寺院建築物の前に園池が広がるという形をとっていました。
浄土式庭園は、自然風景式庭園に分類され、寝殿造り形庭園、書院造り庭園とともに、日本庭園の三大形式の一つとする学者も多いようです。
浄土式庭園は、庭園の中心に園池を設け、その周囲に石組みや橋、中島などを配置し、極楽浄土を表現しています。また、庭園の周囲には、樹木や草花を植え、四季折々の自然の美しさを表現するようになりました。(重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
重森完途氏による平安時代の庭園概況文を要約しますと、以下のようになります。
景観を主体に庭をつくり、舟遊びの面を強調し、さらに滝を落とし、流れとしての遣り水(やりみず)を整備して、優美な眺めをみせた庭園ができあがるのは平安期に入ってからです。
平安期の庭園は、作庭家が各地の名所や風情ある場所を参考にしながら、作家独自の心象風景をわかりやすく、具象的に表現したものが多かったようです。すなわち寝殿造り庭園では、全体の意匠、つまり地割りは同じようにみえても、洲浜や洲崎の形、築山や野筋の規模・形、あるいは滝の規模、水の落とし方、池泉護岸の石組みの形、三尊石組みの規模、植栽の配置、島の大きさと数、干潟線(汀(みぎわ))の意匠など、さまざまに変化させて作庭したのです。
これら大和絵に描かれた日本の四季絵、名所絵、あるいは月々の行事を描いた月次(つきなみ)絵が作庭の参考にされ、新しい庭園の意匠として採用されるようになりました。
今日では、平安期にできた池泉の多くは荒廃してしまい、現存しているのは少ないです。現存するものに、京都の大沢池庭、渉成(しょうせい)園、平等院鳳凰(ほうおう)堂池庭、勧修寺(かじゅうじ)池庭、積翠園(しゃくすいえん)池庭、岩手県の毛越寺(もうつうじ)池庭、静岡県の摩訶耶寺(まかやじ)池庭などがあり、いずれも舟遊式の池庭です。
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■ 日本を代表する庭園
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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています