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【あたりまえ経営のすすめ】2部管理編1章08 若い部下に仕事を任せるときの巧遅拙速

2024-12-02 12:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ2 管理編

■【あたりまえ経営のすすめ】2部管理編1章08 若い部下に仕事を任せるときの巧遅拙速  

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部1章 リーダーシップあるプロの管理職の発想と行動 

 “真”のプロは、“真”の管理ができなければなりません。“真”の管理は、「温かい管理」が基本です。
 「管理」の基本について、考えてみましょう。

■2-08 若い部下に仕事を任せるときの巧遅拙速
 管理職にとって、若い部下を相手にする場合に「拙速巧遅」というジレンマに襲われることが多いです。部下に仕事を指示した場合に、自力で、期限までに、所定の仕上がりで、完成するのが基本です。
 一般的には、スピードを優先させますと「質」が悪くなり、質を重視すると時間がかかってしまいます。その両者を求め、時間と質に固執し、高い完成度を求めますと、部下が潰れてしまうこともあります。

 若手とベテランでは、時間と質の取組方が異なります。ここでは、私の経験から、経験が浅い若手の部下の場合についてお話します。若手には、「期限」を優先させるように指示してきました。お客様との約束を励行することの重要性を、身に滲みつけることを優先したからです。
 指示を出す場合には、目的と納期を明確にすることが基本です。若手の場合には、「How To」を重視した指示の出し方をします。やり方が解らない場合が多いですので、部下の資質によっては手取り足取りに近いやり方をしなければなりません。
 まずは、仕事を覚えさせ、納期までに完了させることを基本とします。完了した仕事の完成度が低い場合には、修正ややり直しなどが必要となりますので、最終期限までのゆとり時間が必要です。
 指示を出したら、できるだけ早期に着手させます。指示したときに、方法論だけではなく、ポイントなども話しますが、「ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線」にありますように、優秀な人材であっても、時間経過と共に、それが薄れ、忘れ去られてしまう可能性があるからです。
 指示を出す場合には、他の業務との優先度を予め管理職として確認しておく必要があります。そして、何を優先すべきかを考えさせ、その上で、管理職としての考えに基づいて、何を優先すべきかを、その理由も明確にして指示を出します。若手にとっては優先度の決め方が身についていないことが多いからです。

 管理職として、経験の浅い部下の行動パターンを知っておくことが重要です。
 経験が浅いために判断力が充分に備わっていないことが多いです。経験が浅いと仕事がスムーズに進まなくなることも多く、質を重視した指示を出しますと悩んでしまいます。悩みを抱え込んでしまって、他の人に質問したり、相談したりすることすら思いつかないこともあります。管理の一貫として、時々、中間チェックを入れることはいうまでもありません。
 中には、悩んだ末に、あきらめてしまう部下さえいます。その観点からも中間チェックは必要であり、それを怠ると精神的な病気になったり、退職したりということも起こりかねません。若手部下への配慮は、若手育成の基本であることを常に認識していることが必要です。

 若手の中には、「嫌な仕事を〃やらされている〃」という捉え方をするものもいます。そのような社員は、「上司のいじめ」と考えることもあります。その結果、上述のように代謝に繋がったりしてしまいかねません。
 目的・趣旨をキチンと理解させることにより、このような若手社員を少なくしていくことが肝要です。


【 注 】(【Wikipedia】)
 忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)は、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。特に心理学者のヘルマン・エビングハウスによるものが有名です。

<次号に続く>

 

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