【日本庭園を知って楽しむ】4-52 枯山水式庭園 その特徴
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
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旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
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日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
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■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。
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■4-52 枯山水式庭園 その特徴
枯山水式庭園の変遷について見てきました。ここでは、枯山水式庭園を更に理解するための情報をお届けします。
重森三玲は、日本の庭園は、伝統的に自然を表現するものであり、池泉を海の景として見立てるなど、象徴主義的な思想があったとしています。これが極度に発達した姿が枯山水であると考えています。つまり、自然を、そのままの実体として表現するのではなく、砂を海、石組を滝などと見立てて、そこに秘められた世界観を創り出すという創造的な幽玄思想が表現されているのだといっています。
庭園構成として重要な役割をもつのが、空白の地面であり、空白が広いほど広大な空間を表現できるとしています。こうした幽玄美と空白美により形成されるのが枯山水の特徴であるというのが彼の枯山水に対する見方なのです。彼の見方は、彼独自と言うよりは、私達の多くが同じように枯山水式庭園を捉えているのではないでしょうか。
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枯山水式庭園が、このような特徴を持つようになった背景は、枯山水が主に京都の禅宗寺院で作庭されたことに関連付けられます。
既述の通り平安時代まで伝統的に主殿の前には儀式を行うための前庭が設けられていました。こうした前庭は、時代が下るに従い、形骸化して、その面積も狭くなってゆきます。室町時代に至っては、儀式のためだけではなく、観賞用の庭として意図されるようになりました。
このような前庭には、元々砂が敷き詰められていました。そこに石組や庭木を配したものが枯山水と考えられます。しかし、「作庭記」などには、このような行為は、禁忌と記され、用いられませんでした。
中世仏教におこった、「万物に仏心がある」とする自然観を背景として、本来は仏教儀礼をおこなう禅宗寺院の前庭において、このようなことが許容されていったと考えられます。
このような背景から、枯山水式庭園は、方丈や書院などから座って鑑賞することを目的とした庭になってきました。そのため、面積は狭く、平坦な土地で、時に土塀などに囲まれる庭園様式として、成立するようになってきました。したがって同じ日本庭園であっても、徒歩や舟で移動しながら鑑賞する回遊式庭園、あるいは茶室への動線に山里を再現することを目的とした露地とはその性質が異なることが分かります。
また、枯山水式庭園は、同時代に広まった水墨山水画の影響も受けたといえます。小野健吉は、水墨山水画にみえる「咫尺千里」や「残山剰水」を三次元化したのが枯山水だとしています。この他に、盆景や漢詩などからの影響もあると言及されています。
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既述の通り、枯山水は、禅宗の影響を強く受けた庭園です。それゆえ、禅の精神性を表現したものでなければ禅の庭とはいえないと考えられる一方で、枯山水と禅の庭はイコールではないという意見もあります。
枡野俊明は、禅の庭とは、目に見える庭を通して、そこに繋がる、延々と続く宇宙を表現したものであると言っています。それを掘り下げることにより、仏法の道理と絶対の真理を見抜く「現成公案」であるとしています。
【 注 】 現状公案 げんじょうこうあん
人の造作によらないで自然に現われている公案(禅宗における問答:問答のテーマ)
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さらに禅における枯山水式庭園の特徴を見てみましょう。
禅では、世俗から離れ景勝のよい場所に隠遁することを理想としています。その世界観を書院を中心に再現したものが枯山水式庭園であるといっています。このような庭園思想は、日本独自のものであって、中国など、他国では見られないそうです。また、初期の禅の枯山水式庭園では、座禅石を配することが多いです。
初期の禅の枯山水式庭園として、天龍寺庭園・大仙院書院庭園・龍源院龍吟庭などを挙げることができます。
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(【Wikipedia】、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
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■ 日本を代表する庭園
都道府県別
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ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】
写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています