■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-53 PDCAの「C:チェック(check)」に報告書を活用
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-53 PDCAの「C:チェック(check)」に報告書を活用
報連相のポイントは、文書と口頭という双方向コミュニケーションが基本です。それだけではなく、報告内容が薄っぺらであっては効果が薄いです。
それには、報告書の重要性を全員が共通認識していなければなりません。報告の内容は、自社のノウハウとして蓄積し、それが会社の財産になるのです。ここでは、営業日報を基本に考えてみましょう。
営業日報は、書く側も読む側も、得てして日報の目的を理解できていません。
書く側は、「営業活動だけでも大変なのに、報告書作成などと、自分のあまり得意でないことを”やらされ”、時間の無駄だ」という、やらされ意識があります。
報告を受ける側も、「時間通りに帰社せず、多数の部下の報告を受けなければならず、やってられない」と義務感で報告を受けています。
「日報は、営業パーソンの行動を監視するための道具である」という意識が、管理職にも営業パーソンにもありますと、日報が活かされません。
「商談進捗の報告・記録」というのは、それを時系列的に見て行きますと、なぜ受注できたのか、なぜ、ライバルに商談をとられてしまったのか、等々、結果とその原因が明確になり、その対策としてどうすべきであったのかというような記録となります。
その記録を整理し、分析しますと、そこに自社の営業スタイルの形も見え、そこに長所や短所を見出すことができるのです。それを将来に活かすようにします。
また、自分が抱えている案件を、どのように進めたら良いのか、蓄積された「共用智」を紐解きますと、そこにヒントを見出すことができるかもしれません。すなわちノウハウを共用智として、皆で利用できるのです。
「行動の報告・記録」という側面から見ますと、営業パーソンとしては、「見張られている」というマイナスのイメージが強いです。
行動の結果を分析しますと、ある人は、移動時間が長すぎたり、ある人は商談件数が少なかったり、ある人は訪問先に偏りがありすぎたり、ある人は一つの顧客あたりの商談時間が短すぎたりと、さまざまなことがわかってきます。
営業パーソンが、自分の行動分析により、営業活動のあり方におけます問題点に気づきを与えてくれるのです。
それらの分析結果に基づき、対応策を打ちますと、営業効率があがり、結果的には営業パーソンにも、管理職にもプラスとなり、企業も成長して行くのです。
営業日報の三番目の目的として「市場情報の報告・記録」という面があります。これは、営業活動のあり方へのヒントとなるだけではなく、新商品開発や市場開拓などにもヒントを与えることができるのです。
すなわち、営業日報は、営業部門だけにものではなく、全社の情報源でもあるのです。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
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