【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-01 論理思考 日本人の欠如を補う手法 複雑な事象を単純化して思考する
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第2章 思考力を高めてビジネス全快
四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
■2-01 論理思考 日本人の欠如を補う手法
~ 複雑な事象を単純化して思考する ~
*
世の中には、「理路整然(りろせいぜん)」とした話方をする人が結構いらっしゃるもので、脱帽の思いをしばしばします。「理屈の道が整然としている」ということで「話や文章、思考などの筋道が通っている」ことを指します。論理的に納得でき、秩序だっていることですが、逆に「支離滅裂(しりめつれつ)」な人もいます。「支離」も「滅裂」も「バラバラで統一性がない」ことをいいますので「論理や道理にかなわず、筋道が通っていない」という意味です。「四分五裂(しぶんごれつ)」も、同じような意味です。
*
人間の気持ちや考え方というのは、おかれている環境や条件の変化で、変わるものです。「万事塞翁が馬」という故事にもありますように、「紆余曲折(うよきょくせつ)」があって、人間の生き方というのも変化をします。「紆」も「余」も屈曲することを表す言葉です。曲折は、川がくねくねとして流れることで、「紆余曲折」というのは、道や川が曲がりくねっているという意味です。ここから「物事との成り行きや事象が、複雑に絡み合い、入り混じって変化する」という意味で使われます。
外交問題も同様で、海外の「海千山千(うみせんやません)」の外交官が「手練手管(てれんてくだ)」を使って、翻弄するのがあたり前の世の中です。
「海千山千」は「海に千年、山に千年住む」といい、海に千年、山に千年住んだ蛇は龍になるという言い伝えもあります。これらのことから、「海千山千」というのは、「世の中の酸いも甘いもよく知っている者」「世の中の苦い経験を充分に積んで、社会の裏側や人間の暗部にまで通じていて、ずるがしこい(四字熟語辞典)」という様子や人間を指します。
「海千山千」に「龍」が出てきますが、「雲蒸竜変(うんじょうりゅうへん)」という、雲がむくむくとわき上がるのに乗じて、蛇が龍となるという四字熟語もあります。これは、それが転じて「英雄や豪傑がタイミング良く世に出て来る」という意味で使われます。タイミングの良さを表す四字熟語に「時節到来(じせつとうらい)」があります。「ちょうど良いタイミングである」という意味で、「好機到来(こうきとうらい)」ともいいます。
ものごとのタイミングという観点では「時期尚早(じきしょうそう)」という四字熟語があります。「あることを実行するのに、周囲の機が熟しておらず、早すぎる」という意味です。
私事で恐縮ですが、経営コンサルタントになって間もない頃、まだ、パソコンが「おもちゃ」といわれる時代でした。パソコンの使い方に関するビデオを制作して、市販を開始しました。しかし、パソコンそのものが個人はおろか、企業でも使う人が少ない時代でしたので、ほとんど売れませんで、在庫の山を抱えることになってしまいました。しかし、昨今では、パソコンに限らず習い事がDVDに映像化され、初心者が学ぶには最適な教材として一般化しています。マーケティングを専門としている私が、若かりし頃、猿も木から落ちる、時期尚早で失敗した好例です。しかし、それがトラウマにはならず、何度も失敗を繰り返していますが、成功することも多くなりました。
「試行錯誤(しこうさくご)」が、失敗から脱出する方法の一つと言えます。「試行」は「試しに行う」ことですし、「錯誤」は「誤り、間違い」のことで「いろいろな試みをして、失敗を繰り返しても負けずに解決に向かって努力を積み重ねる」ことです。「継続は力」「蓄積は力」、「失敗は成功の母」なのですね。
タイミングの善し悪しでは、「運否天賦(うんぷてんぷ)」という、「幸運や不運は天の定め」という四字熟語もあります。「運否」は「うんぷ」と読み、雲のあるなしを、「天賦」は、天から与えられたものを意味します。「栄枯盛衰(えいこせいすい)」も、「栄えたり、衰えたりする」ことを表します。「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」「生者必滅(しょうじゃひつめつ)」や「栄枯浮沈(えいこふちん)」も類語です。
*
「海千山千」の類語として「千軍万馬(せんぐんばんば)」「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」があります。千もの軍隊、何万という馬という、「意気盛んで大きな軍隊」ということから、「戦闘の経験が豊か」なことを指します。このことから転じて「世の中の経験が豊かである」ことや人を指します。同様に「百戦錬磨」は、「戦闘経験が抱負でその技術や知識が高い」こと、あるいは高くすることを指します。同様に「少壮気鋭(しょうそうきえい)」「新進気鋭(しんしんきえい)」は「若く元気があり、意気軒昂」なことを指します。
「手練手管」は、「人を騙したり、操ったりする方法、技法(四字熟語辞典)」という意味です。「手練」も「手管」も「人を操る」という意味で、もともとは「遊女が客を騙す技巧」を言いました。「活殺自在(かっさつじざい)」とか「生殺与奪(せいさつよだつ)」は、生かすも殺すも思いのままと言うことから、「自分の思い通りに人を操る」という意味です。
*
「日本という国は、外交下手」として有名ですし、せっかく素晴らしい製品を作っているのにもかかわらず、海外メーカーに売り負けてしまっています。その元兇は、「日本人の比論性」にあると言われています。
それを受けまして、二〇世紀末には、日本でロジカル・シンキング・ブームが始まりました。ロジカル・シンキングの「ロジカル」は「論理的な」とか、「論理学の」「必然の」、「シンキング」は「考えること」「思考」「意見」という意味です。日本語としては「論理思考」などと訳されていますが、「必然的な思考」とも訳せます。私たちが身に付けておくべき思考法の一つといえるようになりました。
ロジカル・シンキングとは、一言で表しますと「論理的な思考法」のことで、短縮して「論理思考」と言うようになりました。これは、さらに噛み砕きますと、「各種の要因要素をもれなく、重複なく、わかりやすく整理し、体系化することで、全体を捉えて、より的確な判断や解決策などを導き出すときに使う思考方法」のことです。
そして、ビジネスの世界では、今後の新しい戦略、戦術の立案や、企画の立案をするとき、または、その内容を伝えるプレゼンテーシヨンのとき、さらに、その他にも様々な場面で力を発揮する「思考法」なのです。
*
私事で恐縮ですが、文系の人間ですので、論理思考を身につけてることは容易ではありませんでした。ロジカル・シンキングは、論理思考法の一つと言えますが、これはまた、論理思考法を身につけるための習得法という位置づけでもあります。ロジカル・シンキングの基本であります各種のツールを、実務に利用しながら論理思考法を身につけてゆくことができると体験的に学びました。
すなわち論理思考を習得したいという時に、特別なトレーニングをするというよりは、「基本的な思考法」と「思考を助ける便利なツール」を、日常使いながら身につけてゆけば良いのです。
基本的な思考法には、ゼロベース(リセット)思考・やフレームワーク(枠組み)思考+、オプション(選択枝)思考+やプロセス(過程)思考・などがあります。便利なツールとしては、皆さんが一度は聞いたことがあると思われるロジックツリーが代表的でしょう。
その他には、データをマトリックスやマーケティングの3C、4Pとかアンゾフの市場戦略とか、ツールを漠然と紹介し、利用するというやり方に、ロジカル・シンキング的な発想基本を触媒にして、実務に使いながら、論理的発想法を体得して行くのです。
ツールを使うことはすでに私たちは日常的に実行している人が多いでしょう。データや情報の整理だけではなく、整理した内容を分析し、戦略を立案・意思決定し、それを実務的なアクションプランに落とし込み、進捗管理を行うことで、論理思考の活用範囲を拡大することができるのです。
論理思考ができるようになりますと、混沌とした問題や課題を最短ルートで最適解決し、好ましい結論を導き出すことができるようになってきます。
「命題の本質を認識し、本質的な切り口で設定する」という考えを活かします。
「A=B」で「B=C」なら「C=A」であるというように、答えがキチンと出ないと納得がいかないのが自然科学的な発想です。
演繹法や帰納法では、事実が基本になる発想法ですから、それに固執しすぎますと、そこから脱線した発想が生まれがたいのです。事実や目の前の現象を、いろいろな角度から観ることによって、そこに新しい発見が生まれることに気がつきませんと、ひらめきという言葉を納得できないのです。「事実無根(じじつむこん)」、すなわち「事実であるという根拠がない」というのでは論理思考はできません。
経営戦略上で「差異化(差別化)」ということは、昨今では非常に重要な戦略の一つです。従来の、演繹法や帰納法に固執しすぎますと、このようなひらめきから生まれる効果的な差異化(差別化)的発想は生まれないのです。「奇想天外」な発想やイノベーションは、不可能に近いのです。
「奇想天外(きそうてんがい)」は、「普通の人には思いもよらないような奇抜な考え」のことを指します。同じような意味合いで「斬新奇抜(ざんしんきばつ)」という四字熟語もあります。
「論理思考」ができる人は「思考の瞬発力」が高いといいます。相手の言葉に対して間髪を入れず、適切な言葉を発することができるといいます。一方で、「理屈屋さん」といわれ、口先ばかりの一日ともいます。昨今の日本に求められることは「迅速果断な経営」ではないでしょうか。「迅速果断(じんそくかだん)」の「果断」とは「思い切って行動する」ことで、「物事に素早く決断し、素早く実行に移す」ことをいいます。
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~ 複雑な事象を単純化して思考する ~
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世の中には、「理路整然(りろせいぜん)」とした話方をする人が結構いらっしゃるもので、脱帽の思いをしばしばします。「理屈の道が整然としている」ということで「話や文章、思考などの筋道が通っている」ことを指します。論理的に納得でき、秩序だっていることですが、逆に「支離滅裂(しりめつれつ)」な人もいます。「支離」も「滅裂」も「バラバラで統一性がない」ことをいいますので「論理や道理にかなわず、筋道が通っていない」という意味です。「四分五裂(しぶんごれつ)」も、同じような意味です。
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人間の気持ちや考え方というのは、おかれている環境や条件の変化で、変わるものです。「万事塞翁が馬」という故事にもありますように、「紆余曲折(うよきょくせつ)」があって、人間の生き方というのも変化をします。「紆」も「余」も屈曲することを表す言葉です。曲折は、川がくねくねとして流れることで、「紆余曲折」というのは、道や川が曲がりくねっているという意味です。ここから「物事との成り行きや事象が、複雑に絡み合い、入り混じって変化する」という意味で使われます。
外交問題も同様で、海外の「海千山千(うみせんやません)」の外交官が「手練手管(てれんてくだ)」を使って、翻弄するのがあたり前の世の中です。
「海千山千」は「海に千年、山に千年住む」といい、海に千年、山に千年住んだ蛇は龍になるという言い伝えもあります。これらのことから、「海千山千」というのは、「世の中の酸いも甘いもよく知っている者」「世の中の苦い経験を充分に積んで、社会の裏側や人間の暗部にまで通じていて、ずるがしこい(四字熟語辞典)」という様子や人間を指します。
「海千山千」に「龍」が出てきますが、「雲蒸竜変(うんじょうりゅうへん)」という、雲がむくむくとわき上がるのに乗じて、蛇が龍となるという四字熟語もあります。これは、それが転じて「英雄や豪傑がタイミング良く世に出て来る」という意味で使われます。タイミングの良さを表す四字熟語に「時節到来(じせつとうらい)」があります。「ちょうど良いタイミングである」という意味で、「好機到来(こうきとうらい)」ともいいます。
ものごとのタイミングという観点では「時期尚早(じきしょうそう)」という四字熟語があります。「あることを実行するのに、周囲の機が熟しておらず、早すぎる」という意味です。
私事で恐縮ですが、経営コンサルタントになって間もない頃、まだ、パソコンが「おもちゃ」といわれる時代でした。パソコンの使い方に関するビデオを制作して、市販を開始しました。しかし、パソコンそのものが個人はおろか、企業でも使う人が少ない時代でしたので、ほとんど売れませんで、在庫の山を抱えることになってしまいました。しかし、昨今では、パソコンに限らず習い事がDVDに映像化され、初心者が学ぶには最適な教材として一般化しています。マーケティングを専門としている私が、若かりし頃、猿も木から落ちる、時期尚早で失敗した好例です。しかし、それがトラウマにはならず、何度も失敗を繰り返していますが、成功することも多くなりました。
「試行錯誤(しこうさくご)」が、失敗から脱出する方法の一つと言えます。「試行」は「試しに行う」ことですし、「錯誤」は「誤り、間違い」のことで「いろいろな試みをして、失敗を繰り返しても負けずに解決に向かって努力を積み重ねる」ことです。「継続は力」「蓄積は力」、「失敗は成功の母」なのですね。
タイミングの善し悪しでは、「運否天賦(うんぷてんぷ)」という、「幸運や不運は天の定め」という四字熟語もあります。「運否」は「うんぷ」と読み、雲のあるなしを、「天賦」は、天から与えられたものを意味します。「栄枯盛衰(えいこせいすい)」も、「栄えたり、衰えたりする」ことを表します。「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」「生者必滅(しょうじゃひつめつ)」や「栄枯浮沈(えいこふちん)」も類語です。
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「海千山千」の類語として「千軍万馬(せんぐんばんば)」「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」があります。千もの軍隊、何万という馬という、「意気盛んで大きな軍隊」ということから、「戦闘の経験が豊か」なことを指します。このことから転じて「世の中の経験が豊かである」ことや人を指します。同様に「百戦錬磨」は、「戦闘経験が抱負でその技術や知識が高い」こと、あるいは高くすることを指します。同様に「少壮気鋭(しょうそうきえい)」「新進気鋭(しんしんきえい)」は「若く元気があり、意気軒昂」なことを指します。
「手練手管」は、「人を騙したり、操ったりする方法、技法(四字熟語辞典)」という意味です。「手練」も「手管」も「人を操る」という意味で、もともとは「遊女が客を騙す技巧」を言いました。「活殺自在(かっさつじざい)」とか「生殺与奪(せいさつよだつ)」は、生かすも殺すも思いのままと言うことから、「自分の思い通りに人を操る」という意味です。
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「日本という国は、外交下手」として有名ですし、せっかく素晴らしい製品を作っているのにもかかわらず、海外メーカーに売り負けてしまっています。その元兇は、「日本人の比論性」にあると言われています。
それを受けまして、二〇世紀末には、日本でロジカル・シンキング・ブームが始まりました。ロジカル・シンキングの「ロジカル」は「論理的な」とか、「論理学の」「必然の」、「シンキング」は「考えること」「思考」「意見」という意味です。日本語としては「論理思考」などと訳されていますが、「必然的な思考」とも訳せます。私たちが身に付けておくべき思考法の一つといえるようになりました。
ロジカル・シンキングとは、一言で表しますと「論理的な思考法」のことで、短縮して「論理思考」と言うようになりました。これは、さらに噛み砕きますと、「各種の要因要素をもれなく、重複なく、わかりやすく整理し、体系化することで、全体を捉えて、より的確な判断や解決策などを導き出すときに使う思考方法」のことです。
そして、ビジネスの世界では、今後の新しい戦略、戦術の立案や、企画の立案をするとき、または、その内容を伝えるプレゼンテーシヨンのとき、さらに、その他にも様々な場面で力を発揮する「思考法」なのです。
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私事で恐縮ですが、文系の人間ですので、論理思考を身につけてることは容易ではありませんでした。ロジカル・シンキングは、論理思考法の一つと言えますが、これはまた、論理思考法を身につけるための習得法という位置づけでもあります。ロジカル・シンキングの基本であります各種のツールを、実務に利用しながら論理思考法を身につけてゆくことができると体験的に学びました。
すなわち論理思考を習得したいという時に、特別なトレーニングをするというよりは、「基本的な思考法」と「思考を助ける便利なツール」を、日常使いながら身につけてゆけば良いのです。
基本的な思考法には、ゼロベース(リセット)思考・やフレームワーク(枠組み)思考+、オプション(選択枝)思考+やプロセス(過程)思考・などがあります。便利なツールとしては、皆さんが一度は聞いたことがあると思われるロジックツリーが代表的でしょう。
その他には、データをマトリックスやマーケティングの3C、4Pとかアンゾフの市場戦略とか、ツールを漠然と紹介し、利用するというやり方に、ロジカル・シンキング的な発想基本を触媒にして、実務に使いながら、論理的発想法を体得して行くのです。
ツールを使うことはすでに私たちは日常的に実行している人が多いでしょう。データや情報の整理だけではなく、整理した内容を分析し、戦略を立案・意思決定し、それを実務的なアクションプランに落とし込み、進捗管理を行うことで、論理思考の活用範囲を拡大することができるのです。
論理思考ができるようになりますと、混沌とした問題や課題を最短ルートで最適解決し、好ましい結論を導き出すことができるようになってきます。
「命題の本質を認識し、本質的な切り口で設定する」という考えを活かします。
「A=B」で「B=C」なら「C=A」であるというように、答えがキチンと出ないと納得がいかないのが自然科学的な発想です。
演繹法や帰納法では、事実が基本になる発想法ですから、それに固執しすぎますと、そこから脱線した発想が生まれがたいのです。事実や目の前の現象を、いろいろな角度から観ることによって、そこに新しい発見が生まれることに気がつきませんと、ひらめきという言葉を納得できないのです。「事実無根(じじつむこん)」、すなわち「事実であるという根拠がない」というのでは論理思考はできません。
経営戦略上で「差異化(差別化)」ということは、昨今では非常に重要な戦略の一つです。従来の、演繹法や帰納法に固執しすぎますと、このようなひらめきから生まれる効果的な差異化(差別化)的発想は生まれないのです。「奇想天外」な発想やイノベーションは、不可能に近いのです。
「奇想天外(きそうてんがい)」は、「普通の人には思いもよらないような奇抜な考え」のことを指します。同じような意味合いで「斬新奇抜(ざんしんきばつ)」という四字熟語もあります。
「論理思考」ができる人は「思考の瞬発力」が高いといいます。相手の言葉に対して間髪を入れず、適切な言葉を発することができるといいます。一方で、「理屈屋さん」といわれ、口先ばかりの一日ともいます。昨今の日本に求められることは「迅速果断な経営」ではないでしょうか。「迅速果断(じんそくかだん)」の「果断」とは「思い切って行動する」ことで、「物事に素早く決断し、素早く実行に移す」ことをいいます。
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