日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

諫干 営農はリース方式

2005年09月21日 | インポート
今朝の毎日新聞の見出しだ。
以下にその記事を転記する。

金子知事が方針表明
 長崎県・国営諫早湾干拓事業(諫干)の営農計画について、金子原二郎同県知事は20日、干拓地に造成される700ヘクタールの農地をリース方式で運営する方針を表明した。
 諫干は07年度完成を目指し、国が農地などを造成中。県は干拓地で試験栽培をするなど営農準備を進めている。
 県によると、販売せずリースすることに決めたのは、大規模・環境保全型農業を根付かせるため。所有方式だと、遺産相続などで農地が細分化されやすい。また、リース契約する借り手の個人・法人に、5年以内に県やJAS(日本農林規格)が発行する減農薬や無農薬の認証を取得する事を約束させるという。
 県は07年度から営農者の公募を始める予定。地方公共団体は農地法により農地を所有できないため、県農業振興公社などが国から農地を買い取り運営する。農業者や学識経験者、行政を交えた協議会(仮称)を近く設置し、リース価格や最低面積などの検討を始める。
 金子知事は「公的農地として適正に管理し、安全・安心な諫干ブランドの確立をめざす」と話している。

以上が記事の全文。

以下にこの記事に対する私の感想を少し。

新しく造成される干拓農地は、最近まで、単位面積あたりいくらかで販売されるというように言われていたはずだ。
しかも、その干拓農地における営農希望者の数は、定員をかなり上回っているという発表だったと思う。
それなのになぜ、このような方針変更をしたのだろうか。

このような方針変更を知ると、本当に営農希望者の数が定員を上回っていたのか疑いたくもなる。

リース価格が低く設定されたならば、所有方式よりも営農者にとっては有利なのかもしれないが、永久にリース料を払い続けなければならないことになる。
50年経っても100年経っても、永久に所有権は自分たちのものにはならない。
長い目で見れば、個人営農者にとっては不利のように思う。
昔の、地主と小作者の関係のような仕組みの復活であるような気がする。

大きな資本を持った法人が、農業の分野にも進出して来る可能性があり、個人営農者よりも法人事業者にとっては、運営しやすい形態になるのかもしれない。

大きな資本を持った法人が、大規模な農地に対する経営権を持った場合には、現在の建設業のように、作業員としてのサラリーマン農夫の出現につながって行く可能性もある。

もしもその様になった場合には、建設業における公共工事費の削減による余剰作業員の受け皿として考えれば、評価できないこともない。

農業者に農地の所有権を与えない営農方式に、どのようなメリット・デメリットがあるのかは分からないが、その農地が、借金をする場合の担保物権にはできないであろうことは想像ができる。


豊田かずき