アメリカなどの研究グループが、ゲノム編集技術をヒト受精卵に使って、遺伝性の心臓病を引き起こす遺伝子変異を修復する実験に成功したと発表しました。
今回の実験では受精卵を子宮に戻していませんが、将来技術が確立すれば遺伝子疾患が子孫に伝わるのを防ぐことができる可能性を示しています。ゲノム編集でヒト受精卵の遺伝子を操作する研究は中国で3例の報告がありますが、そのほかでは初めての研究となります。
改変された影響が次世代に受け継がれるため、安全性や倫理面から否定的な意見が多く、今後研究や応用の是非をめぐり論争を呼びそうな課題なのかもしれません。
研究グループは、突然死に至ることもある肥大型心筋症を引き起こす特定の遺伝子の異常がある精子を正常な卵子に入れて人工授精を行いました。この時ゲノム編集技術を使い、遺伝情報を書き換えるよう同時に入れたところ58個のうち約70%の受精卵で異常な遺伝子が修復されたということです。
受精後5日間観察した結果、狙った場所以外での改変は認められなかったとしています。この結果を受けて研究グループは、「遺伝性の病気がある人の家族や社会の負担を減らすことができる」とコメントしています。
この研究はゲノム編集の倫理的な課題などについてアメリカを代表するアカデミーがまとめた勧告に従っているとしていますが、今回の成果はヒトの受精卵の改変がどういう条件なら認められるのか、改めて議論を呼びそうだとしています。
ゲノム編集技術が進み、中国でのヒト受精卵の研究などを受けて、アメリカ科学アカデミーは、2年近くにわたる化学的な議論や倫理的な問題など幅広い議論をまとめた報告書を発表しました。この中で将来的にはほかの治療の選択肢がなく、その病気の遺伝子だけを操作すること、数世代にわたる追跡調査や透明性の確保など、厳しい条件の下で実験を容認しています。
これについて日本の専門家は「アメリカでは受精卵の遺伝子を調べ異常がないものだけを選んで子宮に戻す着床前診断が広く行われているうえ、第三者から健康な精子や卵子を提供してもらう体制も整っているので、今回の研究が実際の現場で必要とされる可能性は低く、研究の目的に疑問がある。
また、今回の研究は、高い確率で遺伝子を改変できる事実を示しているが、ゲノム編集で目や髪の色といったことも自在に操作できるという、倫理的に問題がある利用を助長するおそれもある。ゲノム編集は難病の治療に有効な技術になり得るからこそ使い方は慎重になる必要がある。ヒトの受精卵をゲノム編集する研究について、日本には法の規制がないので、国は早急に対応すべきだ」としています。
どうも日本ではこういった問題には異常に厳しいのですが、遺伝病を治療するという目的には認めても良い気がしています。
今回の実験では受精卵を子宮に戻していませんが、将来技術が確立すれば遺伝子疾患が子孫に伝わるのを防ぐことができる可能性を示しています。ゲノム編集でヒト受精卵の遺伝子を操作する研究は中国で3例の報告がありますが、そのほかでは初めての研究となります。
改変された影響が次世代に受け継がれるため、安全性や倫理面から否定的な意見が多く、今後研究や応用の是非をめぐり論争を呼びそうな課題なのかもしれません。
研究グループは、突然死に至ることもある肥大型心筋症を引き起こす特定の遺伝子の異常がある精子を正常な卵子に入れて人工授精を行いました。この時ゲノム編集技術を使い、遺伝情報を書き換えるよう同時に入れたところ58個のうち約70%の受精卵で異常な遺伝子が修復されたということです。
受精後5日間観察した結果、狙った場所以外での改変は認められなかったとしています。この結果を受けて研究グループは、「遺伝性の病気がある人の家族や社会の負担を減らすことができる」とコメントしています。
この研究はゲノム編集の倫理的な課題などについてアメリカを代表するアカデミーがまとめた勧告に従っているとしていますが、今回の成果はヒトの受精卵の改変がどういう条件なら認められるのか、改めて議論を呼びそうだとしています。
ゲノム編集技術が進み、中国でのヒト受精卵の研究などを受けて、アメリカ科学アカデミーは、2年近くにわたる化学的な議論や倫理的な問題など幅広い議論をまとめた報告書を発表しました。この中で将来的にはほかの治療の選択肢がなく、その病気の遺伝子だけを操作すること、数世代にわたる追跡調査や透明性の確保など、厳しい条件の下で実験を容認しています。
これについて日本の専門家は「アメリカでは受精卵の遺伝子を調べ異常がないものだけを選んで子宮に戻す着床前診断が広く行われているうえ、第三者から健康な精子や卵子を提供してもらう体制も整っているので、今回の研究が実際の現場で必要とされる可能性は低く、研究の目的に疑問がある。
また、今回の研究は、高い確率で遺伝子を改変できる事実を示しているが、ゲノム編集で目や髪の色といったことも自在に操作できるという、倫理的に問題がある利用を助長するおそれもある。ゲノム編集は難病の治療に有効な技術になり得るからこそ使い方は慎重になる必要がある。ヒトの受精卵をゲノム編集する研究について、日本には法の規制がないので、国は早急に対応すべきだ」としています。
どうも日本ではこういった問題には異常に厳しいのですが、遺伝病を治療するという目的には認めても良い気がしています。