ごっとさんのブログ

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ビタミンCが転移がん抑制

2018-07-27 10:27:39 | 健康・医療
東京工科大学の研究グループが、高濃度ビタミンC(VC)によるガン転移抑制メカニズムに関して新発見をしたと発表しました。

高濃度のVCの投与についてはガン治療に効果があることが報告されており、副作用のない治療法として注目されています。また外科手術や放射線療法、化学療法などの補助で用いられる「高濃度ビタミンC点滴」は、ガン転移を制御する可能性が示唆されているものの、詳細なメカニズムは明らかになっていませんでした。

最近民間でいわれている全く副作用のない治療法としてアスピリン、重曹、ビタミンCといわれていますが、本当に効果があるかどうかはかなり怪しいとものと考えていました。

ただこういった噂のようなものは、効果が出ることもあるというような知見に基づいていることもあり、一概に排除すべきではないのかもしれません。少なくとも今回の研究でビタミンCに関しては抑制効果が出てきたようです。

研究グループは、ガン治療に効果があると報告されているVCについて、その抗酸化作用とガン細胞に対する毒性を酸化型ビタミンC(DVC)と比較して調べました。

細胞内の活性酸素を蛍光色素などで定量したところ、VCはDVCとくらべて活性酸素のレベルを低下させることが分かりました。またガン細胞を用いてVCの過酸化水素による細胞死の抑制作用を検討すると、VCにはこの作用はありませんが、DVCは細胞死を抑制しました。

さらに転移能のあるガン細胞に対してVCは選択毒性を発揮しましたが、DVCにはこのような作用はありませんでした。この毒性作用は、過酸化水素を水と酸素に分解するカタラーゼによって抑制されてことから、過酸化水素の産生に起因していると考えられます。

これらによりVCは血液を循環する転移がん細胞を抑制するのに有効であることや、還元型であるVCはガン細胞に対して毒性のみを有することが分かりました。このあたりは実はよく内容が理解できませんでした。

VCは抗酸化作用があるので、過酸化水素を分解しますが、この過酸化水素によって選択毒性が出るというのは不思議な気がします。ですからこの実験では、結局なんでVCが転移ガンを抑制するのかの説明はできていないといえるでしょう。

この研究グループは、酸化型のDVCに細胞死を抑制し、細胞を保護する作用があることも判明したとして、これは神経細胞の変性を主な症状とする脳虚血の治療などに応用できる可能性があるとしています。

今回の研究ではあまりはっきりしたことはわかりませんが、ビタミンCがガン治療に有用であるという裏付けにはなるのかもしれません。